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令和3年度学位記授与式 学長式辞

福井大学において、本日学位記授与式を迎えられる学部卒業生並びに大学院修了生の皆様、この度は誠におめでとうございます。2年前の学位記授与式は、わずかの代表者による学内のアカデミーホールでの開催でしたが、本日、感染対策に十分な配慮を払いつつ、対象者全員が出席しての式典を挙行できたことは望外の喜びです。お送りする側を代表し、心よりお慶び申し上げます。まずは、様々な形で皆様をご支援頂いたご家族、ご指導頂いた先生方等々に対し感謝の気持ちを差し上げて頂きたいと思います。

さて、今年一年を言い表すとすれば、やはり「今年もコロナ、またしてもコロナ」というのが偽らざる印象ではないでしょうか。しかも、新型コロナウィルス感染症における各変異株の出現頻度に比例して、相異なる感染パターンと病態が紡ぎ出されました。極め付けはオミクロン株であり、その感染力の強さ、病原性の弱さは、先行株に比べあたかもコロナ以外の異なるウィルスを見ているようです。このような中において、皆さんは、大きな不安と戦いながら、本日を迎えられたことと思います。その中でも、海外からの留学生の皆さんは、誠にお疲れ様でした。皆さんには、教育研究活動に加え、本来ならば県外も含めた我が国のひと、文化との交流が重要なミッションだったと思います。そのような点で、特に留学生の方には負の影響も大きかったと思いますが、卒業生の皆さん全員が本当に良く頑張ってくれました。

ところで、昨年の学位記授与式で私は、本感染症の遷延化に鑑み、postコロナ対応を考える前に、withコロナへの対応を考えるべきと述べました。即ち、コロナが完全に消退しなくても、ワクチン接種等で一定程度の安全性が、担保されれば、社会の活動度を出来るだけあげていこうという考え方です。

本学でのwithコロナ具現化の代表例が昨年末の「福大withコロナ対策コンペ」の開催です。教員による日々の教育、研究活動に加え、職員の業務における改善の取組、さらには学生諸君の教育、研究、キャンパスライフに関わるアイデア等合計80件近くの応募があり、いわば大学をあげての取り組みに出来たことで、この前向きの展開を有り難く思いました。

さて、皆さんは、大学、大学院において、各々の専門分野における学びを十分に習得されたことと思います。そのキーワードは、学術領域においてはノーベル賞受賞者から語り継がれている「知的好奇心」であり、社会においては、私は「共感性」と思っています。知的好奇心は卒後、知識人として生きてゆくために、また共感性は社会人として生きてゆくために身に着けてほしい能力です。そして大切なことは、生まれつきそれを体現できている人は、ラッキーですが、その能力の乏しい人も、注意深く習得することにより、社会で不自由しないレベルには到達することが、大部分で可能です。
今、世界の政情は、極めて不穏であり、ロシアのウクライナ侵攻により、我が国も、その影響を受けています。残念ながら、国同士の相互理解が十分に進まない中、重要なのは、人種や国籍に関わらぬ世界中に暮らす人間同士の交流であり、共感性であると思います。まずは民族等を越えての一人対一人の相互理解が重要です。出来る範囲での皆さんの平和への小さくても大きな一歩を期待しています。そして本学の新理念「格致によりて人と社会の未来を拓く」も是非、心に留めておいてください。

さて、本年4月1日より成人年齢が20歳より18歳となり、若者の動向に関心が集まっています。皆さんが社会に出て社会人として、年齢を重ね、社会的地位を獲得してゆく時、その評価される基準は例えば法律や社内規則等で明確に明記されているものもありますが、そうでない社会規範も多くしかも重要です。その様なルールブックを超えた規範の存在する社会に暮らしてゆくことの重要性についてもしっかり自覚しなければなりません。この身のまわりに起こる一つひとつの評価事項の積み重ねがあなたの価値を作って行くことを自覚して、それを前向きに進むモチベーションとして今後の社会を歩んで頂きたいと思います。さらにその様な時頼りになる先輩友人の存在は本当に貴重であり、大切にして下さい。

加えて本学は、社会人を対象としたリカレント教育にも力を入れています。今突入しつつあるソサエティ5.0の社会では、多くの職種がAIにとって替わられると予想されています。皆さんには、自らの手で自ら獲得した高度専門職業人として、関連分野の職種を切り開き、自らのものとするなどの手腕が求められます。しかし、人生100年時代において、これまでの学びだけを基礎にこれに一人立ち向かうのは厳しく、本学は、「学びの母港」として、卒業生の皆さんの一人ひとりの生涯の学びを支えたく思います。これから先、必要な時はいつでも母校で新たな学びに取り組めるそういう大学を目指しています。

結びになりますが、皆さんは、我々が本日自信をもって世の中に送り出す、867名の学部卒業生と343名の大学院修了生です。謙虚な心と同時に、プライドも併せ持ち、社会に颯爽と乗り出して下さい。

以上を持って、式辞といたします。

令和4年3月23日
福井大学長  上田孝典

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