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「全体」と「個」 2つを見る力一人ひとり目を向けられる教員にSTUDENT’S VOICE現場で役立つ「実践力」を養う「実感」を伴う学びを子どもたちにPROFESSOR’S VOICESchool of Education 教育学部21UNIVERSITY OF FUKUI田中 夏音 さん学校教育課程 2年次福井県立武生高等学校出身山本 博文 教授専門分野:理科(地学)高校の教員をしている父親の影響や、「学校の先生、かっこいいな」という憧れ。そんな理由で、小学生の頃から教員を目指していました。教育学部に入り、授業で学び、教育実習を行った先輩の話を聞いて感じたことは「先生って勉強を教えるだけじゃない」ということです。子どもの生活面や精神面、友達との人間関係など、授業以外でサポートすべきことがたくさんあります。でも、そこがとても大事なことなんだと気づかせてもらいました。福井大学の教育学部では、1年生から子どもたちに触れる機会が多く用意されています。例えば、大勢の子どもたちと活動をともにする「探求ネットワーク」や、支援が必要な一人の児童生徒とじっくり向き合う「ライフパートナー」です。探求ネットワークでは、小学生を連れてキャンプに行くプロジェクトに参加しました。企画や場所、時間の設定、子どもの安全確保など、本来なら教員になってから行うはずの経験をさせてもらえて、とても有意義な学びとなりました。ライフパートナーでは、学校に行きづらい子どもの話し相手になり、「教室じゃなくてもいいから、図書館でおしゃべりしようよ」と、時間をかけて信頼関係を築いていきました。大人数と関わる経験と、個人をじっくりサポートする学びを経て強く思ったのは、「個人個人にちゃんと目を向けられる先生になりたい」ということ。難しいですが、がんばって挑戦してみようと思います。教育学部の大きな特徴は、実践的な学びを多く取り入れていることです。実際に、教員になって現場へ出た時にやること、やるべきことを、できる限りカリキュラムに取り入れています。教壇に立ったとき、「どのように授業するのか」「どんな風に子どもたちとやりとりをするのか」、これらの視点をとても大切にしています。実践力を養う授業プログラムとして特徴的なのは、「探求ネットワーク」や「ライフパートナー」です。地域の子どもたちに来てもらって、また地域に出向き、子どもたちと一緒に活動していきます。たくさんの子どもがいると、中にはじっとしていられない子や、学校になかなか行けない子も。「実際の現場とはこういうところなんだ」と1年、2年生のうちから体験します。現場へ出向く機会が多く設けられていることは、本学部の強みであると考えています。また、教員として教えることとは、学ぶ面白さを子どもたちに伝えることだと思います。そのためには何事もまず自ら興味を持ち、体験してほしいと思います。私が担当する理科は、例えば、生き物のこと、地層のこと、物質のこと…いろんなことに興味を持って、積極的に動いていく姿勢を身につけてほしいと思います。先生が面白いと思えないと、子どもにうまく伝わりません。自分で経験し、手を動かすことが大切です。実際に見て、触って、感じた体験は、深い理解へとつながります。子どもたちに学ぶことの楽しさ、そして実感を伴う学びを提供できる教員になってほしいと思います。
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