大学案内Viewbook2019
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53UNIVERSITY OF FUKUIResearch Institute of Nuclear Engineering 附属国際原子力工学研究所原子炉物理学部門原子力プラントの核特性研究を実施します。原子炉内での核分裂分布を理解するために、中性子に対する核データ、輸送方程式の解法、炉物理実験、さらに計算法の検証、不確かさ評価等の研究を行います。安全性に係る炉物理研究により、安全性をより向上させた原子力プラントの構築に寄与します。熱水力部門原子炉の安全性に関連する熱水力現象を明らかにするとともに、安全解析手法や二相流シミュレーション手法の高精度化を進めることにより、信頼性の高いプラントシステムや最適なアクシデント・マネジメントの確立を目指し、安全評価と事故の防止・緩和対策に関する研究を進めます。原子炉燃材料部門核燃料サイクルで用いられる燃料および材料の材料科学的研究や放射性廃棄物の処分処理に関する研究を実施します。様々な原子力システムの燃料、材料および放射性廃棄物の諸特性、それらの機構論的な議論を通して、通常時や事故時の挙動の予測手法の開発を目指します。そのような研究を通じて、より安全で経済的な核燃料サイクルの構築に寄与します。国際交流・人材育成推進部門国際的な共同研究を推進するとともに、原子力新興国に対する人材育成・交流を通じて、世界的な原子力の安全性向上に寄与します。原子炉構造システム・廃止措置部門原子力プラントの安全性向上・環境負荷低減を進展させるため、「ふげん」等の廃止措置に関する研究やそこで得られる知見等の体系化、地震や津波による構造システムへの影響解析等、システム設計に生かす研究を行います。廃止措置耐震・耐津波廃棄物処理・処分システム設計原子力防災・危機管理部門原子力の防災・危機管理を進展させ、新たな防災・危機管理技術を開発するため、事故の防止・緩和対策や、災害に強い原子力システムの開発、事故対応策の立案、防災対策の最適化、適切かつ迅速な放射線防護対策、被曝管理の適正化に関する研究を行います。シビアアクシデント評価放射線計測・防護危機管理基準・規則国際化1年を通じ外国人の研修生や研究者を受け入れており、英語を話すことが日常です。研究環境各分野で活躍中の国内外の研究者や先輩、民間企業の方が最先端の講演をします。異分野横断セミナー医学部と連携し福島県川内村で住民への聴き取り、施設見学、放射線測定などを行います。福島でのフィールドワーク国内外の関連施設・研究所や国際機関で経験を積むためのプログラムがあります。留学・インターンシップテレビ会議で、国内外の研究機関と研究の進捗、国際学会での発表の打合せなどをします。テレビ会議による研究機関交流国際機関との連携によるアジア人材育成研修、廃止措置関連の研修などに参加します。各種研修プログラム様々な地域の方々と原子力防災について一緒に考える機会が豊富にあります。地域との連携原子炉の廃止措置について敦賀キャンパスで研究しています。所属は建築建設工学科なのですが、今の日本の最大の技術課題ともいえる原子力発電所の廃炉について、これは僕がやらなければ、となぜか使命感のようなものを感じたんです。原子力プラントを安全に解体するにはどのような工程で、どれくらいのコストが掛かるのか、さまざまな不確実性の要素も含んだ計算モデルを開発中です。海外では、これから原子力発電所を作るところもありますが、その場合でもあらかじめ廃炉を想定した設計が求められます。そういった分野にも貢献できる研究をしていきたいと考えています。作る、使う、だけではなく安全に解体することも技術の責任福島の事故の時、急激に放射性物質が放出されました。その時、混乱の一因となったのが、定常状態の自然放射線(バックグラウンド線量)と、どれくらいの差があるか分からなかったことです。放射線を継続的に計測するモニタリングポストは、全国4,000カ所に設置されており、そのデータ量は膨大です。私の研究は、ビッグデータ解析の手法を用いて、バックグラウンド線量を統計処理し、公開できるようにすること。放射能は分からない、分からないから怖い、ではなく、きちんと分かって怖がること。正確で素早い情報提供で、原子力防災に貢献したいと思います。環境放射線をビッグデータとして解析原子力防災に貢献する杉本 涼太 さん建築建設工学科(現:建築・都市環境工学科) 4年次福井県立金津高等学校出身STUDENT’S VOICE敦賀キャンパスでの学び吉田 佳乃子 さん大学院工学研究科博士前期課程原子力・エネルギー 安全工学専攻 1年福井県立羽水高等学校出身

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