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課題探求プロジェクトの報告会で、気づきや問題意識を広げます。57UNIVERSITY OF FUKUI福井 理文 さん国際地域学科 1年次聖心学園中等教育学校出身School of Global and Community Studies 国際地域学部日本の価値を再発見し世界に発信する天保2年(1831)創業の味噌蔵「米五」。天正元年(1573)創業の醤油醸造業「室次」。福井市内に本店を構える、押しも押されもせぬ老舗です。この両社を、国際地域学部の福井理文さんたちが訪ねました。何代にもわたって大豆の発酵を繰り返してきた蔵だけが持つ甘い香りが漂うなか、学生たちは矢継ぎ早に質問を繰り出します。「商品の特徴は?」「販売戦略は?」「何百年にもわたって続いてきた秘訣は?」。伝統産業の存在価値を若者たちに伝える意義を感じているのでしょう、経営者の方も丁寧に答え、ときには熱弁をふるいます。「課題探求プロジェクト」は、学生たちが自ら問題を立て、その解決に向けて取り組む過程で経験や知識を獲得していくPBL(Project-Based Learning)型の授業です。福井さんたちのテーマは「伝統食品産業の販売戦略」。事前に、訪れる企業の資料を調べ、どういう販売戦略の提案が可能か仮説を立て、インタビュー項目を精査して、ヒアリングに臨みます。「結果からいえば、僕らはまだまだ甘かった。会社の起源は古くても、当代の経営者はベンチャー精神にあふれて、フリーズドライの味噌や、フレンチ、イタリアンにも合う粉末の醤油など、どんどんイノベーションを起こしています。会社の生き残りをかけて真剣にお考えなので、当然といえば当然ですが、販売戦略も、海外の日本食ブームや健康志向などに焦点を当てて取り組んでいる。学生の机上の空論が通用する余地はほとんどありませんでした。でも、だからこそこれから何をどうやって勉強していけばいいか、はっきりしました」。老舗のスピリットが、学ぶ意欲にさらに火をつけてくれたようです。老舗の経営者に見る、ベンチャー精神まだ価値が知られていない日本の文化や技術を世界に発信していきたい。福井さんが国際地域学部に入学したのは、そんな動機からでした。プロジェクトを経験したことで、その夢に少し明確な輪郭ができつつあるようです。2年次からはグローバルアプローチに進み、長期の海外留学に挑みたいと語ります。語学の授業に、熱心に取り組むのはもちろん、時間を見つけては語学センターの国際交流スペース「グローバルハブ」に入り浸って、そこに集まる留学生たちと会話しながら、異文化コミュニケーションの実践に励む毎日です。プロジェクトが、夢に輪郭を与えるInterviewMovie!Filesize : 60MB

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