大学案内Viewbook2019
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緩和ケアで〝その人らしい生活〟を支えるため、今も勉強を重ねています78UNIVERSITY OF FUKUI「とにかく学生時代は、社会を見ることが大事。患者さんにはいろんな方がいるのでケアをする中で必ず役に立ちます」と小林さん。高い技術と知識が求められる「緩和ケア認定看護師」。大学時代の様々な経験が礎となっています。医学部(看護学科)附属病院のがん診療推進センターは、がん診療の円滑な推進を図ることを目的とした施設で、11の部門で構成しています。そのうち、私は「緩和ケアチーム(外来)」「がん相談支援部門」「がん地域連携部門」の業務を担当。ほかに院内の緩和ケアシステムの構築、院内外の緩和ケアに従事する看護師などへの教育にも関わっています。学生時代、印象深かったのは実習です。患者さんとゆっくり対話して、一人ひとりの生活を間近に見ることができ、いろいろなことを教わりました。今はあの時間がとても貴重だったのだと実感しています。サークルでもアルバイトでも何でもかまいません。学生時代に社会のいろいろなところを見ておくことが、患者さんと接するときに役立ちます。大学卒業後は附属病院の混合病棟へ。ここでの4年間はすごく濃密な経験でした。急性期と慢性期の様々な死に向き合う日々の中で、臨死期の対応に戸惑う自分がいました。そこから患者さんの生死にもっとしっかり向き合いたいと思うように。また、生き方に感銘を受けるがん患者さんとの出会いがいくつもあって、その中で看護師は何ができるのかと考えたことが、その後の道を決めた気がします。出産と育児を経て、卒業後7年で緩和ケアの認定看護師になりました。それに伴い仕事の幅が広がると、見えてくるものが変わります。また、常に勉強していなければならないと感じ、大学院に通ったり、仲間と協力しながら勉強会を重ねたりしています。忘れてはならないのは、緩和ケアの軸にあるのは、患者さんの心と体だけでなく、社会的な面もケアし、“その人らしい生活を支える”ということ。訪問看護を取り巻く状況や、患者さんが暮らす地域のことにも、きちんとアンテナを立てながら、活動できる場所を広げられたらと思っています。小林 美貴 さん福井医科大学医学部(現:福井大学医学部)看護学科 2007年卒業福井大学医学部附属病院 がん診療推進センター 緩和ケア認定看護師大学院医学系研究科修士課程看護学専攻 基礎看護学1年次医学部(看護学科)福井大学医学部附属病院福井赤十字病院福井県立病院福井県済生会病院京都大学医学部附属病院名古屋大学医学部附属病院金沢大学附属病院大阪医科大学附属病院小浜市役所石川県立中央病院名古屋第二赤十字病院東京医科歯科大学医学部附属病院越前市役所福井県庁金沢赤十字病院金沢大学医学部附属病院国立病院機構あわら病院国立病院機構金沢医療センター神戸大学医学部附属病院大津赤十字病院主な就職先公務員 2名 3%進学等 1名 2%福井大学病院34名 60%他大学病院2名 3%その他の病院18名 32%※「円グラフ」は2016年度卒業生データ(2017年5月1日現在)《看護学科》H29H28H27国家試験合格率(既卒者含む)100.0%96.6%98.4%100.0%100.0%100.0%100.0%100.0%100.0%看護師保健師助産師

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