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本との出会いが広げる世界

大学院工学研究科生物応用化学専攻/寺田 聡先生
工学部生物応用化学科4年/迫 勇樹さん
工学部生物応用化学科4年/森山聖子さん

GLPで身についた2週間に1冊、専門書を読む習慣

GLP/Green Leaves Project(グリーンリーブズプロジェクト)
生物応用化学科では教員が推薦した図書を学生が読み、レポートを作成することで日本語力と専門分野への興味を高める創成教育を実践している。

vol06_03寺田 グリーンリーブズプロジェクト(以下GLP)では入学直後から2週間に1冊というペースで専門領域の本を読みますが、二人とも工学部に入学して、まさかこんなに本を読むとは思っていなかったのでは?

 GLPには正直、最初驚きました。推薦本のなかにはかなり難しそうなものもありましたし。でも、専門書を読む良いきっかけになったと思います。高校時代あまり本を読まなかった僕でも慣れてしまえば2週間に1冊というペースも苦になりませんでした。

寺田 実は教員の間で、「大学生が先生の選んだ本を読む」ということについて葛藤があったんですよ。本は自分で選ぶものなんじゃないかと。学生に読書を義務づけると拒否反応が起こるのではという不安もありました。

森山 私たちはこれまで、学校から「本を読みなさい!」と強制されることが少なかった世代。そのせいもあってか、先生から推薦されて本を読むことを新鮮に受け止めることができました。入学当初は学科で何を学ぶのか理解が曖昧だったのですが推薦本を読んでイメージが具体的になっていきました。GLPは1年生がこれからの学びをイメージする上でも有効だと思います。

寺田 ポジティブにプロジェクトを楽しんでくれていますね。生物応用化学科は工学部の他学科に比べると、安全性の問題があって自由に実験ができな い。その分、GLPを通してチャレンジブルに学んでほしいという思いもありました。

本をきっかけにコミュニケーションが生まれる

vol06_04寺田 入学してすぐに実施される新入生合宿では読んだ本の感想を言い合ったり、学友と一緒にポスターを作ったりと、友人づくりの良いきっかけになったのではないでしょうか。このように本を通して人との仲が深まるのもGLPの特長です。二人は、何か思い出に残っていることはありますか?

 『水はなんにも知らないよ』(ディスカヴァー携書)という本を読んだ時、同じ本を読んだ学生と内容について話をしたり、疑問に思ったことを先生に質問しに行くこともありました。推薦本から先生の人となりを感じ、授業を選択することもありましたね。

森山 教員のなかには、授業で直接「この本、お勧めですよ」と猛アピールしてくださる方もいらっしゃいました(笑)。本の感想を先生に伝えると、す ごく喜んでくださって。

寺田 教員たちは推薦本にコメントを付けていますが、それは学生さんへのメッセージでもあります。だから、リアクションがあるととてもうれしい。友 人と、先生と、本を通して学問的に刺激し合うという大学らしい人間関係を築けることもGLPの良い点ですね。

本を読むことは、学問の高みをめざすベースづくり

vol06_05寺田 最後にGLPを経験して、何か変化はありましたか? 例えば、推薦本の関連書を自分で探して読むなど。

 GLPで本を読むようになって、授業の中での気づきが多くなりました。「これ、推薦本で読んだ内容だな」と知識がつながる瞬間があり、そこから興味がわいて関連書を探すことはありましたね。

森山 私はレポートの書き方に変化がありましたね。最初は感想文の様なレポートを書いていましたが、たくさん本を読んだことで著者によって視点が違うことに気づき、複眼的な書き方ができるようになりました。

寺田 教員が学生の皆さんに望むことは、多くの本を読むことで自然科学の正しい知識を身につけ、学問のベースを築いてほしいということ。土台がなければ、学問の高みを目指せませんから。本は心を豊かにしてくれるもの。工学の分野にこだわらず、本を純粋に楽しむことも忘れないでくださいね。


私の一冊

今回対談していただいたみなさんにも「私の一冊」を私の一冊教えていただきました

vol06_02

  • 寺田 聡先生
    『制御工学の考え方』木村 英紀 著(講談社ブルーバックス)
    「制御」の歴史や事例、将来の可能性などにふれながら、その本質を解説する一冊。
  • 迫 勇樹さん
    『生物と無生物のあいだ』福岡 伸一 著(講談社現代新書)
    日常的事例のわかりやすい解説は、物理が苦手な人にもオススメ。
  • 森山聖子さん
    『二重らせん』ジェームス・D・ワトソン 著、江上 不二夫/中村 桂子 訳( 講談社文庫)
    研究過程がドラマティックに描かれています!
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