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変化する世界の中の変わらないものに注目する

教育学部(歴史地理学) 准教授

門井 直哉 先生

地域区分の不思議

越前、加賀、能登、越中、越後。なぜ越前と越中の間に加賀や能登があるのか。北陸の昔の国名やその並びを知って不思議に思ったことはありませんか?

私は子どもの頃、出身地の千葉を含めて東京、埼玉の3都県にまたがって「葛飾」という地名があることを不思議に思っていました。もともとは関東平野の中にとても広い葛飾郡があって、府県が出来たときに分割されてこのようになった。…と後に知るのですが、それにしても葛飾郡はどうしてそんなに広いのか、疑問は尽きませんでした。

地域の成り立ちを研究する

研究の一環として開発した国郡郷名検索システム

研究の一環として開発した国郡郷名検索システム

地域区分の謎に興味を持つようになり、大学進学時に、過去の地理的事象について研究する歴史地理学という学問に出合いました。以来、特に国や郡などの地理的範囲がどのように定まってきたのかを明らかにすることを主な研究テーマとしてきました。1300年以上の昔、行政区画として成立した国郡の名称は今でも残っています。もちろん長い歴史の中では国郡の消長もありました。境界も時代とともに変わったりします。そのような変化が生じた背景や、それぞれの時代、日本の歴史全体の中での国郡の意義を解き明かすことも研究課題です。

ところで、「越前がに」「若狭かれい」といったブランド品にあるように、長年にわたって根付いてきた国名には、伝統や格調高さを想起させる良い響きがあるようです。近年はこれら古代に由来する国郡などの地域や名称が、現代に生きる人々の行動や心理に、どんな影響を与えているのかについても関心があります。

地理や歴史に学ぶ

過去の地理的事象について研究するのが歴史地理学と言いましたが、現在の地理的事象にしても、なぜそこにそれがあるのか、という疑問を追究していけば必然的に歴史的な考察となっていきます。そのような意味で、すべての地理学は歴史地理学とも言えます。そして、地理や歴史を学ぶことの意義は、自分自身を過去から続く世界の中に位置づけ、生き方に芯を通すことにあると考えています。歴史といえばその変化の方に目を奪われがちですが、一方で変わらないものにも注目したいと思っています。その中には未来に向かって変えていくべきものもあれば、大切に受け継いでいくべきものもあるはずです。

地理や歴史に苦手意識を持っている学生は少なくないかもしれません。でも何気なく見聞きしていたことが、興味を持って掘り下げたことと後々繋がることがよくあります。将来ひょっとすると芽が出るかもしれない、知的興奮を呼び起こす種がたくさん転がっているのも、大学での学びの良いところだと思います。人文系の分野ではすぐに役立つ知識が得られるとは限りませんが、長い人生の中できっと役立つ場面も出てきます。未来の自分のために、そうした種をせっせと蒔いておいてはいかがでしょうか。

最後に、冒頭に挙げた地域区分の謎について、どうしてだろうと思った方はぜひ研究室のドアをノックしてみてください。

今ハマっていること★

P16_03中学生の頃からユーフォニウムの演奏を続けています。この楽器、知ってますか?例年、本学吹奏楽部のコンサートで学生と共演することを楽しみにしています。