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心臓の動きを可視化しその機能を解明する

医学部(統合生理学) 教授

松岡 達 先生

実験結果を数理モデルと統合する統合生理学

生体は、様々な分子、細胞、臓器の集合体です。それらが機能的に連関し、システムを形成することで生体は初めて上手く機能します。生体がどのように機能を統合し、生体の恒常性を維持しているのか、そのメカニズムを解明しようとするのが生理学です。

私は、内科の医師として働いていましたが、元来ダイナミックに動くものが大好きだったことから、心臓を動かす心筋細胞に興味を持ちました。現在は心筋細胞に発現するイオンチャネルやトランスポータ分子機能を実験的に研究するとともに、コンピュータシミュレーションで心臓の働きを解析し、分子メカニズムを明らかにする研究を行っています。

生命の維持に重要な裏方「心臓」

数理解析を繰り返して新しい発見を目指します

数理解析を繰り返して新しい発見を目指します

心臓は血液を全身に送り出すポンプです。私たちが生きている間、文句も言わずに拍動し、収縮と拡張を繰り返します。心筋細胞では、細胞膜や細胞内小器官(ミトコンドリアなど)の膜にイオンを輸送するイオンチャネルやトランスポータと呼ばれるタンパク質が発現します。これらのタンパク質の働きによって、細胞内でイオンがダイナミックに変化することで、心臓の機能を発揮しています。

研究では、動物心臓から取り出した心筋細胞や培養心筋細胞を用いて、細胞内イオンの変化を追跡するイメージング実験と、膜電位変化や各種イオンチャネル・トランスポータ機能を解析する電気生理学実験を行っています。これによって、細胞内イオン動態を担う個々の分子の役割を定量的に明らかにすることを目指しています。実験と平行して、実験結果をもとに個々の要素(イオンチャネルやトランスポータ、酵素など)の機能を数理モデル化し統合することで、代謝、活動電位、収縮などの包括的な心筋細胞機能を再構築した各種心筋細胞モデルを作成しました。「数理モデル解析による作業仮説の提示と実験的検証」を繰り返すことで、心臓が働く仕組み、機能破綻から病気になる仕組みを解析しています。

現在は、特に心筋細胞のミトコンドリアにおけるCaイオン動態に着目して研究を行っています。ミトコンドリアの機能不全により、不整脈など様々な症状が引き起されます。ミトコンドリアCaイオン動態が解明されれば、ミトコンドリア病などの治療法や創薬につながると考えています。 がん細胞やリンパ球が遊走するメカニズムの研究も行っています。ダイナミックに動くものは何でも興味があります。

誰も知らなかったことを発見することは楽しい

心臓については、様々な視点から研究が盛んに行われていますが、それでも未知の部分はたくさんあります。実験や解析を通して、これまで誰も知らなかったことを発見できた時は、大きな喜びがあります。現在は、福井大学の工学部の先生や麻酔科の先生と共同研究を行っています。生体機能の研究は、幅広い研究者の知識が必要です。学生のみなさんにも、ぜひこの楽しさを味わってもらいたいです。

今ハマっていること★

P17_03コンピュータに向かってばかりだと頭がパンクするので、部屋にサボテンなどの多肉植物を置いて気分転換をしています。忘れたころに水と肥料をあげていますが、少しずつ成長しています。