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機械の故障は材料のストレスから

工学部(材料力学) 講師

旭吉 雅健 先生

材料だって疲れるんです

「刃物を使わずに太さ0.5ミリの針金を切ってください」と頼まれたら、みなさんはどうしますか?おそらく、曲げたり、ねじったりを何度も繰り返すことになるでしょう。すると、針金はグニャグニャにゆがみ、最後には亀裂が入ります。

物体は熱や振動などさまざまな応力を継続的に受けると、そのストレスに耐えきれなくなり、材料としての強度が次第に低下する「疲労」という現象が起こります。さらに高温では時間の経過とともに材料にひずみが増える「クリープ」という現象も起こります。大型ジェット機やジェットコースター、火力発電所の配管などの金属が疲労し、折れたり、破断することがあれば、重大事故につながります。私の研究はこうした金属疲労を事前に予測する評価手法の開発です。

過酷な環境に耐える

数ミリサイズの試験片の評価も可能

数ミリサイズの試験片の評価も可能

火力発電所はさまざまな形状の配管で構成され、600度の高温環境にさらされますので、材料は複雑な応力と熱応力がかかった多重のストレス状態にあります。こうした配管の金属疲労の状態を調べるには、大きな素材から一辺200ミリの十字形の試験片をつくり、上下左右ひっぱって、経年劣化や寿命を評価することが必要になります。プラント配管に影響のない、もっと微小なサイズで直接採取することができれば、作業工程やコストの削減にもなります。1円玉サイズ程度の微小な試験片で、高精度な寿命評価ができる実験装置の開発を企業と共同開発しており、まもなく完成するところです。

また、スマートフォンなどの基板で使われているハンダ接合部でも劣化が起こりやすく、何らかの要因で断線し、電気信号が伝わらなくなります。電子デバイスのハンダ接合部は、ON/OFFスイッチングの繰り返しや温度の変動による疲労が生じており、年々、微小なものを評価する技術が要求されています。

スマホ内部のはんだも評価できる

スマホ内部のはんだも評価できる

これまでは高温下の環境を模試した評価装置の実験が行われてきましたが、最近の精密機器は宇宙空間を飛行する人工衛星など私たちが想像もつかない低温の環境に置かれることも多くなってきました。高温環境を作ることよりも、一定の低温環境にすることは難しかったのですが、現在は氷点下40度~150度の熱疲労試験も可能です。

実験は真実

私の研究は評価したのちに「判断」が求められます。信頼を得られる判断を下すには、知識や経験を増やし、実験を積み重ねることにあります。地道な作業ですが、実験は何事にも勝る真実です。学生のみなさんには、なぜだろうと思ったことを調べ、実験の仮説を構築し、得られる結果の1回、1回に喜びを感じて欲しいと思います。

今ハマっていること★

P18_03学生時代に一般旅行業務取扱の資格を取得しました。旅行業に必要な資格ですが、当時は国内外の歴史や観光地を知りたいとの気持ちで勉強しました。今は、現地での観光を妄想しながら航空券やホテル手配を楽しんでいます。