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患者さんにフィードバックできるがん研究をめざす

医学部(消化器外科) 教授

五井 孝憲 先生

難治がんの克服めざして

日本人の2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなる時代です。私が平成3年に研究を始めた当時、DNAやRNAという遺伝子レベルの研究は困難でしたが、近未来には治療において重要な鍵を握る時代が必ず来ると信じ、遺伝子と外科療法の両面から研究を進めてきました。

死亡数が最も多いのは、肺がんです。続いて、大腸、胃、膵臓、肝臓といった消化器がんが6~7割を占めます。特に、大腸がんの死亡数は2012年には女性1位、男性3位となり、50年前に比べて8倍に増加しました。私はこうした患者数、死亡者数の多い難治がんを中心に、増加しつつある大腸がんをいかにして克服するか、研究と治療に取り組んでいます。

がんメカニズムの追求

大腸がん細胞株

大腸がん細胞株

がん組織の形成や転移、再発など、がん化の根源である「がん幹細胞」と、がん幹細胞からがん細胞が増殖する過程で不可欠な「血管新生増殖因子」を研究のターゲットにしています。血管新生増殖因子の働くメカニズムを追究する中で、有効な「抗体」を見つけました。この抗体は、がん細胞を主に攻撃し、正常細胞を傷つけにくく、副作用の少ない、新たな「分子標的薬」につながることが期待されます。すでに特許を取得しており、大手の製薬会社と創薬に向けた共同研究も検討中です。

高度な技術で患者さんにやさしい治療を

外科療法では、「腹腔に温めた生理食塩水に内温熱化学療法」「腹腔鏡下手術」「肛門機能温存手術」を行っています。腹腔内温熱化学療法は、治療法が確立されていない「がん腹膜播種」の手術で、43度抗がん剤を入れて腹腔内に灌流させる方法です。腹腔内が粘液で覆われる腹膜偽粘液腫や大腸がん腹膜播種において良好な成績が得られ、他大学からも見学者が訪れています。

患者さんに役立つ研究をめざして議論を重ねます

患者さんに役立つ研究をめざして議論を重ねます

腹腔鏡下手術は、炭酸ガスでおなかを膨らませ、直径5ミリ程度の穴を開けて内視鏡と鉗子、電気メスなどで病変を切り取る手術です。また現在、より細い鉗子を用いて手術創を小さくし、さらなる「低侵襲手術」に取り組んでいるところです。さらに、県内では福井大学だけが行っている手術として、人工肛門を回避できる究極の肛門機能温存手術も行っています。

今後も、患者さんにとって負担が少ない治療を実現できるよう、外科療法の技術向上に努め、さらに、体に優しい治療をめざして、研究を進めたいと考えています。

医学を学ぶ学生たちには、常に現状の治療法に満足せず、今は解決していない問題であっても、正面から向き合う努力をしてほしい。その気持ちをずっと持ち続けてほしいと思います。

今ハマっていること★

P11_03学生の頃は野球をしていて、昔から体を動かすことが好きでした。今は、ジム通いで運動を楽しんでいます。

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