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社会現象からイノベーションの足がかりを

国際地域学部(経営学) 講師

中村 友哉 先生

身近な問題を解決できる経営学

アメリカで開催された学会の様子

アメリカで開催された学会の様子

経営学やマネジメントと聞くと、みなさんにとっては縁遠く感じるかもしれませんが、実は私たちの身近な問題を解決できる学問です。経営学では「組織」を分析対象とし、「組織」が最大のパフォーマンスを発揮するにはどうすればよいのかを考えます。

バーナードという研究者は、2人以上の人間が集まり、そこに共通の目的、貢献意欲、コミュニケーションの3つが存在すれば、それは「組織」であると定義しました。エレベーターに偶然乗り合わせただけでは「組織」とは言えませんが、「野球部」のように、ともに甲子園を目指すという共通の目的、チームのために力を合わせる意欲、コミュニケーションが行われていれば、経営学が使える「組織」です。経営学には「野球部」という組織が最大限のパフォーマンスをあげるための戦略や組織構造、人の動機づけやリーダーシップといった様々な理論的及び実践的知見が蓄えられています。

私自身は特に、「イノベーション」に注目し、組織が新しいものを生み出す過程の研究を行っています。イノベーションで重要なのは「組み合わせの新しさ」です。例えばウォークマンは、ヘッドフォンとテープレコーダーという、ずっと前から世の中にあった要素同士を、うまく組み合わせてみたところに革新性がありました。「新しい視点や斬新な発想」が重要ということはわかっていますが、問題は「イノベーションはどうすれば生まれるのか」という点にあり、組織の中でいかにイノベーションを生み出すか、どうすればよりイノベーティブな組織を構築できるのか、こうした点を理論的に研究しています。

3つの視点を行き来

企業やメーカーではなく、製品を使用する人がイノベーションを生み出す現象「ユーザーイノベーション」もあります。パソコンのOSであるLinux(リナックス)の開発過程を分析すると、ユーザーによる流動的かつ階層化されたユーザーコミュニティの形成や、開発の中心となったユーザーによるマネジメントがあったことがわかりました。これまで結びつかなかった「ユーザーイノベーション」の現象と理論が一つに結びつく瞬間を体験し、心が躍りました。

目の前で起こっている現象を、多面的に考察をする上で心がけるのは、3つの視点を行き来することです。全体を俯瞰する「鳥の目」、現場から深く見つめる「虫の目」、時間やストーリーなどの流れを意識する「魚の目」です。日々意識して、様々な角度から、時には理論を白紙に戻して、現象をとらえるように心がけています。みなさんも日々の生活で見えるさまざまな現象から面白いことを見つけてください。きっと心から熱中できる何かが見つかるはずです。

考案したユーザーイノベーションプロセスモデル

考案したユーザーイノベーションプロセスモデル

今ハマっていること★

P12_03映画鑑賞、読書、ルアーフィッシング。あと旅行。知らない場所を歩くことが好きです。