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まちづくりの持続可能性を考える

国際地域学部(地域社会学) 講師

田中 志敬 先生

地域の中に溶け込む研究

大学時代、中学生による殺傷事件など世間を賑わせる少年犯罪が多かったことに関心を持ち、少年犯罪をテーマにした卒業論文を作成し、その中で少年犯罪の防止には、「地域のコミュニティで見守る」「家族で見守る」といったソーシャルサポートが大切だと結論づけました。今思うとそれが「地域のあり方」を考えるターニングポイントでした。

大学院に進学してからは、「参与観察」という手法を用い、実際に研究対象とする地域に住んだり通ったりし、社会の一員としてコミュニティを直接観察し、聞き取りなどを行いました。そうすることで、地域のコミュニティが持つ力にひかれ、まちの構造や社会関係、人間関係を研究対象とする地域社会学の道に進むことを決めました。

祇園祭の「八幡山」の前で

祇園祭の「八幡山」の前で

10年来関わっている地域に、祇園祭の後祭りで巡行する山鉾のひとつ「八幡山」で知られる京都市中京区の三条町があります。都市の中でも少子高齢化が進んでいた地域で、お山を守っているのは地元の一部の住民でした。その一方で、地区内には新しいマンションが建ち、新しい住民が増えています。この界隈は建築時のトラブルからマンションの建築反対運動が起きたところもあります。祭を守るためにはそういった経緯も乗り越えて、お互いに連携しなければならないという矛盾を抱えます。新住民が土地の文化や風習に共感しながら旧住民とどのように良好な関係を結んでいくのかを探っています。

「まちこわし」にならないように

まちづくりには初動期、実践期、成熟期があり、その中で地域の担い手や支え手が実際にどうコーディネートしているのかをもっと細かく調べて体系化・パターン化したいですね。今まで見てきた経験からいうと、大学が関わりすぎたまちづくりは研究室が引き揚げた後にうまくいかなくなり、「まちづくり」どころか、「まちこわし」になってしまいます。そうならないように、あくまでも主導は地域住民で、学生はきっかけをつくる〝刺激〟、教員は専門性の高い助言を〝置き土産〟にするといった関わり方で、まちづくりや持続可能な地域のあり方について研究を進めています。

理論と実践のバランスを

平泉寺フィールドワークに向けた福井県内の若者とのワークショップ

平泉寺フィールドワークに向けた福井県内の若者とのワークショップ

専門的な理論を学んでフィールドに入っても、その理論が全く通じないことがままありますが、それがある意味面白いと感じています。現場でどういうことが起きているのかを見聞きしていくと、まちづくりが進まない理由が、実は人間関係のちょっとしたこじれだったりします。そういう事例を積み上げていくことはフィールドワーカーの醍醐味です。複雑に入り組んだ事例に深く入りこむほどに戸惑いは増しますけれど、刺激がたくさんあります。

学生の皆さんも、学内外のいろんな人と接点を持ち、自分の経験知を広げ、その経験をさらに分析して自分に足りないものを補いながら、専門性を高めてほしいと思います。

今ハマっていること★

P17_03家族でキャンプに行くこと。3人の息子たちが今年キャンプデビューしました。リズムの森や、県内のいろんなところに行って楽しんでいます。