受験生のためのFUKUDAI LIFE

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体を楽器に心に届く演奏を

教育学部 准教授(声楽)

梅村 憲子先生

体を楽器として演奏する

スポーツ観戦の時、大きな声を出して応援すると、翌日には声が嗄れてガラガラになった経験のある人は多いと思います。声を作り出す声帯は繊細な器官なのです。私は、自分自身の体を楽器にし、美しい響きのある「声」を用いて、オペラや歌曲などのクラシック曲を演奏します。クラシックの楽曲は音域も非常に広く、時には大きな声が求められることもありますが、声を出すたびにのどが嗄れているようでは、楽器として使い物になりません。声帯を傷めず、美しく豊かな響きの声を出す体の使い方や、人の心を動かす演奏を研究しています。

 

表現を磨き、曲を届ける

演奏会の様子のどに負担をかけず、均一かつ安定した声を出す技術の一つに「ベルカント唱法」があります。のどぼとけの突き出た部分にあたる「甲状軟骨」を少し引き下げ、気管の少し上の「喉頭」にスペースを作ります。のどを広く使い、声帯から発する声を全身を使って響かせ、遠くまで届く増幅した声を出します。「甲状軟骨」は、ものを飲み込む際の嚥下運動の時、不随意的によく動きますが、「ベルカント唱法」では、それらを随意的に操作し、発声するのです。
声楽演奏をする上で大切なのは、美しい響きのある声で先人が残した曲を人々の心に届けることです。発声の技術は必要不可欠ですが、声はあくまで音楽を表現するためのツールの一つです。詩や楽譜を深く読み込み、作曲家の意図、込められたメッセージを汲み取り、曲への理解を深め、表現方法を突き詰めることが演奏家の役割です。

反復練習を基本に、努力を継続する

重要なレパートリーであるシューベルト「糸をつぐむグレートヒェン」の楽譜 私は身長145センチと小柄なので、声帯が短く、甲状軟骨も小さいです。一般的に、体(楽器)が小さいと、声(音域)は高くなります。私の声も、高く、明るい、軽やかな感じで、ソプラノの中でも高い音域の技巧を持つコロラトゥーラソプラノとして活動しています。ただ、声は、高ければ高いほど、声帯を引っ張る筋力が必要で、歌い手は、年を重ねるほど筋力が落ちて高い声が出しづらくなるといわれています。

私自身も、全盛期と比べると音域が狭くなったと感じますが、音色を保ち、今も演奏家として活動出来るのは、実は、努力の賜物なんです。歌曲にもオペラアリアにもそれぞれの魅力と難しさがありますが、声の維持には、限界に近い高音域に加えて、ロングトーン、素早い動き、跳躍など体を安定させなくては歌えない高度なテクニックが詰まっていて、劇的な表現を要求される「オペラアリア」を練習することが有効だと考えています。体が続く限り、日々の練習を欠かさず声の健康を保ち、福井の地を中心に、モーツァルトやイタリアオペラなどのアリア、ドイツリート(歌曲)、日本歌曲など、クラシックの声楽曲の素晴らしさを皆さんに紹介していきたいと考えています。

努力は才能を超えます。ぜひ、学生の皆さんも信念を持ち、努力を続けてください。

今ハマっていること★

楽器(体)のメンテナンスとして始めた、全身鍼(はり)にハマっています。特に、負担が大きいのど回りを中心に、全身に針を刺して筋肉疲労回復に努めています。

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