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犯人はお前だ!? アルツハイマー病の謎を追う

医学部 准教授(神経内科)

濱野 忠則 先生

増える認知症

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現在、日本の高齢化率は27%にも上り、認知症患者数も増加の一途をたどっています。認知症は大きく分けて、アルツハイマー病・レビー小体型認知症・血管性認知症・前頭側頭葉変性症の4つに分類されます。その中の半分を占めるアルツハイマー病は、いったい何が原因で起こるのでしょうか。

脳のタンパクが悪者に

研究を始めたのは、23年前。当時、日本の高齢化率は15%に満たず、アルツハイマー病の診察経験も皆無に等しい状況でした。国内留学先である東京大学脳研究所(病理学部門)のボスは、アルツハイマー病の犯人「神経原線維変化」の構成要素が「タウ蛋白」であることを突き止めた大家です。しか
し、その時与えられた研究テーマは、共犯者ともいえる「アミロイドベータタンパク」の定量でした。その後臨床に追われ研究の余裕がありませんでしたが、留学の機会を得て、米国のメイヨ―クリニック・ジャクソンビルという研究所でタウ蛋白の研究を行いました。元来タウ蛋白は、脳神経にとって重要なタンパクですが、ひとたびリン酸化すると糸くずのようなかたまり(神経原線維変化)をつくり、脳神経の機能低下、細胞死を起こす悪者に変化します。タウ蛋白がオートファジーにより分解されることを世界に先駆けて
発表することができました。
現在は、タウ蛋白を過剰に発現させた神経系細胞を用い、タウ蛋白が神経原線維変化を起こすメカニズムの解明を行うとともに、アルツハイマー病の進行を抑えるために、タウ蛋白のリン酸化などを抑える薬剤を見つけるべく研究を進めています。(図1)

早期発見が治療への鍵

「アルツハイマー病による認知症」と診断された時は、癌に例えると「ステージⅣ」のような状態で、すでに治療が困難です。できるだけ早期に発見し、進行を遅くすることが重要です。そのため、「物忘れ外来」を本学附属病院に開設しました。近年フレイル(加齢に伴う心身の虚弱化)が認知症を悪化させる重大な因子であることが注目されています。高齢になってもご飯をモリモリ食べられる方は多少認知症があっ
ても元気いっぱいで進行しにくいことが分かっています。そこで「食生活」にも着目し、食欲のアンケートや普段の生活指導も行っています。
今後も治療の応用に繋がる研究の推進とともに、たとえ認知症になっても住みやすい社会を目指した啓発活動を行っていきたいと思います。
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