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フィールド調査から 地域の実態と課題を学び、 より良い村づくりや 国づくりを考える

国際地域学部 教授(人文地理学)

月原 敏博先生

途上国での環境利用調査

地形や水の条件をどのように利用して住民は食料を生産し、生計を立てているのか。南アジアの途上国を訪ね、農業的土地利用などの環境利用、またそれに関わる慣行や制度についての調査研究を行っています。
10年ほど前に高地の人々の生態と歴史、文化との関連性を解明する総合地球環境学研究所の「高所プロジェクト」に参加し、インド最北部のドムカルという村を調査しました。プロジェクト終了後も、科研費などを得て調査を継続しています。この村は、大麦や小麦、アンズ、リンゴなどの栽培と牧畜が古くからの生業ですが、標高が高い集落では大麦など限られた作物しかできないため、村人は季節ごとに移動して農牧生産に従事し、さらには交易なども行っていました。
現地調査では私はまず景観や住民の日常行動、道具などをよく観察します。言葉が十分にわからなくても「土地」に対する人々の働きかけの内容や目的はずいぶん理解でき、過去についても推測できるようにもなります。疑問をもったことは書き溜めて、通訳の助けも借りながら一つ一つ聴き取り。こういった作業で、その「土地」と人々を深く理解できるようになります。

村人の話から浮かび上がった隣村との関係

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聴き取りによって初めてわかったこともあります。ドムカル村はインドとパキスタン、さらには中国が領有をめぐって対立しているカシミール地方にあります。1947年の印パの分離独立以前は現在の国境(停戦ライン)はなく、村人は現在のパキスタン及び中国領内にまで毎年のように交易に出かけていました。また、ドムカルから山一つ越えたところにはトゥルトゥックという隣村があります。そこは1971年までは停戦ラインの向こう側でパキスタン領に属しましたが、実はその時代でも村レベルでは非公式ながらドムカル村と繋がっていて食料の助け合いなどで共生関係が存在していたという話を聞きました。
私たちはこうして人々の暮らしぶりを解き明かし、新しい経済の活路やそれを円滑に進めるための制度作りの提案も行っています。幸福とは何かについてこちらが住民から学ぶこともあって、それも楽しい現地との交流となっています。
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