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自己組織化マップによるイメージを考慮した水辺空間の特徴の可視化の試み

教育地域科学部
地域政策講座 准教授
井上 博行先生

教育地域科学部 地域政策講座 准教授

井上 博行 先生

teach_inoue02河川や湖沼などの水辺空間は、その地域において生活空間の一部になっています。これらを開発する場合は、水質データなどの指標だけでなく、どのような場所にしたいのか住民のイメージを指標として取り入れる必要があります。よって、その場所のイメージを考慮して環境を評価することが重要と考えられます。この試みは、例えば、河川の改修や開発における方針決定に役立つと考えられます。そこで、本研究では、九頭竜川水系を対象とし、測定された水質の数値データと、水辺空間が人からみてどのようなイメージかというアンケートデータとを同時に組み合わせ、水辺空間の特徴を可視化し、総合的に評価することを試みました。方法としては、学生に川とその周辺の写真を見てもらい、「落ち着く」「汚い」「散歩ができる」などといった直感的イメージをアンケート調査し、これらの結果と、実際の水質データとの関係を「自己組織化マップ(注1)」上で表現しました。マップでは、水質の数値データという物理的評価と、アンケートデータという人的評価の組み合わせにより、それぞれの評価の共通要素や、実際のイメージとの食い違いを可視化し、観測地点を分類することができました。

まだまだ試みの段階ですが、水辺空間の開発に関する意思決定の一つのツールとしての応用が考えられます。また、住民アンケートなどのデータを用いることができれば、地域住民にとって望ましい水辺空間の利用を考える判断材料としてや、地域での環境問題の要因を分析などへの応用が期待できます。

豆辞書

自己組織化マップ

SOMとも呼ばれ、与えられた入力情報の類似度を2次元のマップ上での距離で表現するモデル。 これを用いることにより、多次元のデータを2次元空間に写像することが可能になり、高次元空間を持つデータの可視化に用いることができる。