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シュティフター作品に見る自然のリズム

磯崎康太郎先生

教育地域科学部人間文化講座
磯崎康太郎先生

教育地域科学部人間文化講座

磯崎 康太郎 先生

ドイツ文学との出会い

ア―ダルベルト・シュティフター(1805-1868)

ア―ダルベルト・シュティフター(1805-1868)

私は、オーストリア出身の作家アーダルベルト・シュティフターの作品を中心に研究しています。19世紀のドイツ文学から出発して、現代の文化研究としての記憶論、文学研究のあり方などについても分析しています。父親の仕事の関係で、中学生時代に1年間ドイツで暮らしていた時にドイツ文学と出会いました。ドイツ語やグリム童話にも興味があったので、大学ではドイツ文学を専攻し深く読み進めていくことにしました。ドイツは冬が長いので、暖炉の前で読み聞かせにより紡ぎだしたような民話や伝承的な話が多いのもドイツ文学の好きなところです。

静かに語られる強い主張

シュティフターの絵画作品「ケーニッヒ湖よりヴァッツマン山を臨む」(1837年)

シュティフターの絵画作品「ケーニッヒ湖よりヴァッツマン山を臨む」(1837年)

シュティフターの作品では、現代人の慌ただしい生活とは違った四季折々に応じた人間の暮らしや生の営みが独特のリズムで語られます。村落共同体の暮らしぶりや地域の行事、 独特な風習に基づくお祝い事などが描かれ、未知のヨーロッパの文化を感じることができます。

日本人は集団主義で人の目を気にしたり、まわりに合わせたりする風潮がありますが、ヨーロッパの方々は個人主義で自分の考え方を主張していく傾向があります。シュティフターは、事件性の大きなものに注目するのではなく、小川のせせらぎや風のそよぎといったささやかなことから宇宙の繰り返す自然のリズムを書いていきました。人間の誠実かつ実直さも表れており、作家としての強い主張がそこにはあります。小さなものとみなしていたものが実は大きなものだったりするということです。

文学研究に取り組む上で、二次文献を当たることは必須ですが、やはり作品そのものから受ける印象を大事にしたいと思っています。そして、現代の作品も取り上げ、現代にとってどういう問題を提示しているかについても考えていきたいと思います。作家が本当に書きたかったことを見失わず、またこの作品が好きだという動機づけを忘れずに、現代の意識もふまえて作品を眺めています。

他から己を知る

ドイツ語など他の外国語を勉強して、日本語は主語を省略する言葉だと気づいたりするように、他を通して自分を知ることができます。学生時代にはなるべく海外に出て、未知のものに触れることがとても大事です。そうした経験がこれからの人生で必ず役に立つはずです。

今ハマっていること★

teach_iso04生後4か月の娘の育児にハマっています。おもちゃであやしたり、お風呂に入れたりとなるべくスキンシップをとるようにしています。娘の成長を感じながらの日々に幸せを感じています。