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病院内に潜む危険を察知しその拡大を防ぐ防波堤

岩﨑博道先生

医学部附属病院
感染制御部
岩﨑 博道 先生

医学部附属病院 感染制御部

岩﨑 博道 先生

病院全体を診る感染制御部

感染制御部のコアメンバーによるミーティング風景

感染制御部のコアメンバーによるミーティング風景

通常医師は、主治医として患者さんを担当し、診断や治療を行いますが、感染制御部では、一人一人の患者さんだけではなく、病院全体の患者さんにも目を配ります。入院生活を送る患者さんが院内に存在する細菌に感染し、思わぬ感染症を引き起こすことがあります。このような細菌は、赤痢やコレラなどと異なり、通常どこにでも存在するものです。しかし、発症すると特殊な治療をしないと治らず、しかも検査をしないと診断できません。そしてそれは注意しないと知らないうちに周りの患者さんへ拡がっていきます。感染制御部では、病棟での感染症の状況について医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師が集まって、問題となる感染症が発生していないか毎日情報交換しています。

新聞などで話題になっている通常の薬剤の効かない耐性菌は、大きな病院には必ず存在します。東京の病院でアシネトバクターという細菌による感染症が広がり、10名もの患者さんが亡くなったことがありました。私たちの病院ではそのようなことは起こらないと思っています。耐性菌をコントロールして拡大を未然に防ぐことが私たちの役目です。

守りの感染制御と攻めの診断治療

リケッチア感染症の媒介動物調査(中国杭州にて)

リケッチア感染症の媒介動物調査(中国杭州にて)

これまでは、第一内科に所属していましたので、院内感染に限らず、感染症を専門に研究してきました。リケッチアと呼ばれるダニが媒介する病気で「日本紅斑熱」という感染症が増えています。この病気は存在を知っていて、診断できなければ効果的な治療はできません。感染制御が守りの業務とすれば、診断治療は攻めの診療といえます。しかし、原因がわからない感染症に対しては、何が原因なのか突き止め、治療することが必要とされます。診断、治療、治癒という流れは、医師の仕事の醍醐味です。推理小説を読み解くようなこのプロセスは、若い先生たちの興味深い分野ではないかと思います。病原体を特定し、今ある薬をどう使って治療していくかということはこれまでの医学教育ではあまり指導する機会がなかったように思いますので、今後は私たちがこの役割も担っていきたいと考えています。

求められる仕事をやり、やりたいこともする

もともと私は血液内科に入局しましたが、訳があって、当初からずっと感染症に携わっています。

数ある医学領域の中で、自分のやりたいことと求められていることが必ずしも一致するとは限りませんが、仕事への意欲と興味を保つためには、現在の立場で求められる仕事をこなしながら、時間を作って自分のやりたいことにも取り組むことが大事だと考えています。私は福井医科大学(当時)の1期生ですが、できたばかりの頃は病院もありませんでした。今では見違えるくらいです。その時代に比べれば勉強に打ち込む環境は整ってきていると思いますから、その中で自分の専門を見つけていってほしいと思います。やりたい仕事が求められるようになるのがベストですが、求められる仕事がいつしかやりたい仕事に変わっていくこともあります。

今ハマっていること★

teach_iwa04学生時代はサッカー部に所属していましたが、現在はもっぱら観戦専門です。ワールドカップフランス大会予選以降、フル代表の試合はフレンドリーマッチも含めて全試合保存しています。興味のある方はぜひお声かけください!(写真は我が家のサッカーコーナー)