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細胞の分化の秘密に迫る

宮本 薫先生

医学部医学科分子生体情報学領域
宮本 薫先生

医学部医学科分子生体情報学領域

宮本 薫先生

体のバランスを保つために不可欠なホルモン

細胞内に存在する蛍光染色された転写因子C/EBPβ

細胞内に存在する蛍光染色された転写因子C/EBPβ

主に卵巣や精巣、副腎で作られるホルモンがどのように作られて、機能しているのかを研究しています。卵巣で作られるホルモンは、女性らしさを保ち、精巣で作られるホルモンは、男性らしさを作ります。特に副腎で産生されるホルモンは、体のバランスを保つために働き、生体内の代謝を調節し、免疫機能などにも重要な役割を担っています。副腎でホルモンが産生されない先天的な異常は命にかかわります。生きていくには、本来体内で作られるべきホルモンを外から注射を打つなどして、一生補充していくことが必要です。もともと産婦人科で研究していた事もあり、妊娠の過程でも重要な働きを担うホルモンが具体的にどのように働くのか、また、1個の卵子からさまざまな機能を持つ臓器などの細胞へどのように分化していくのかという興味もあって、この研究を始めました。

研究成果を再生医療に活かす

体の中でホルモンがどのように作られているかの研究を進める中で、ある遺伝子がうまく働かないとホルモンが産生されないことがわかりました。この遺伝子の働きを利用して、多くの種類の細胞に分化する機能を持つ骨髄間葉系幹細胞から、ホルモンを産生する機能を持つ細胞を分化させることに成功しました。これを発展させ、万能細胞のES細胞をホルモン産生細胞へ分化させることにも成功しています。この成果をさらに発展させていければ、先天的にホルモンが産生されない疾患を持つ患者さんにホルモン産生細胞を移植することで、その細胞が定着し、細胞分裂する中で、体内でホルモンが産生されるようになる治療効果が期待されます。しかし、これにはまだまだ問題が多くあり、一つ一つ解決していかなければなりません。私たちの見通しでは、今世紀中にこのような再生治療が出来るようになるのではという希望を持ってやっています。まだまだ道半ばというところです。

自分の興味を追及するということ

研究室にて

研究室にて

医学部で学ぶ学生は、基礎か臨床かという大きな選択肢があります。多くの学生は患者さんと直接接し、病気を治していく臨床現場を選ぶことが多い かと思いますが、その中で、治療の限界を感じたり、学術的な興味をそそられることがあると思います。そのときに改めて研究をすることは、私は良いと思います。自分の興味を追求できるだけでなく、医学の発展に大きく寄与することがあるかもしれません。また、工学系や化学系の学生さんでも基礎医学の分野に入ってもいいと思います。自分のやりたいこと、やってきたことに自信を持って、既存の考えにとらわれず自分のオリジナルな研究というものを見つけてほしいと願っています。

今ハマっていること★

teach_miya04今さらですが、今年の夏初めて恐竜博物館に行き、そのすばらしさにハマってしまいました。すでに年間パスポートも購入しました。1500円で、常設展、特別展も観ることができるので、興味のある方にはおススメです。