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暗号で安心・安全なシステムづくりに寄与する

廣瀬 勝一 先生

大学院工学研究科
電気・電子工学専攻
廣瀬 勝一 先生

大学院工学研究科 電気・電子工学専攻

廣瀬 勝一 先生

オンラインショッピングサイトで欲しいものがあれば、クリックひとつで買えてしまう便利な時代。そのようなサ イトを利用するときには、パスワードやクレジットカード番号、住所などの個人情報を入力しますが、情報の安全性がどの ようにして守られているか気になったことはありませんか。

インターネット上でやり取りされる情報の安全を確保するには、第三者による情報の盗聴を防ぐ秘密保持と情報の改ざんを検知する機能が不可欠になります。システム全体の安全性は、この2つの機能をうまく組み合わせた「改ざん検知暗号」技術で高めることができます。

新しい改ざん検知暗号の開発

開発した改ざん検知記号の構成

開発した改ざん検知記号の構成

私は、NTT、三菱電機と共同で、安全性と処理速度を両立させた利便性の高い改ざん検知暗号の開発に取り組みました。今回の開発で、基本的な暗号演算を組み合わせ、秘密保持と改ざん検知を実現する「暗号利用モード」と呼ばれる方法の解析をしました。情報セキュリティが脆弱な状態のところに攻撃者が現れても、秘密保持と改ざん検知で安全性を確立するのです。基本的な暗号演算を専門用語では、「プリミティブ」と呼びます。改ざん検知暗号の開発では既存のプリミティ ブを使うことが少なくありませんが、今回は、一から作りました。

この方式は利用時の制約を大幅に抑え、パソコンなどのコンピュータばかりでなく、スマートフォンやICカードのような手のひらサイズのデバイスでも処理速度を高めることができました。処理速度の向上には、方式の工夫と高度なプログラミング、回路設計のテクニックも必要です。

世界標準を決定するコンテスト

この新たな改ざん検知暗号を現在、米国標準技術院(NIST)が支援する暗号評価プロジェクト「CAESA Rプロジェクト」に応募しています。暗号技術の安全性は数多くの攻撃に長年にわたり耐えることで信頼を得ることができます。2014年3月の応募総数は57件ありましたが、今年7月に公表された一次審査結果では30件が残り、私たちの方式を含めた4件は日本からの応募です。二次、三次審査を踏まえ、2017年12月に世界最高レベルの安全性と処理性能を実現した暗号が決定する予定です。

ウェブやメールなどのコミュニケーションを助けるネット社会を経て、家電製品などのモノ同士がコンピューターネットワークを通じて社会や生活を支援するIoT (Internet of Things) の時代がまもなく到来します。多くの技術者が安心・安全な未来のシステムづくりに取り組んでおり、私もその一員として、利便性の高い情報セキュリティ技術を実現していきたいと思います。

今ハマっていること★

P11_03数年前から朝に豆を挽いてコーヒーを飲むようになりました。特に好みはないので、いろいろな豆を試して味の違いを楽しんでいます。最近は緑茶も挽いてみたいと考えています。