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超微量分析で環境保全に貢献

内村 智博 先生

大学院工学研究科
材料開発工学専攻
内村 智博 先生

大学院工学研究科 材料開発工学専攻

内村 智博 先生

汚染物質を早期に発見

学生と実験中

学生と実験中

事故や災害により工場などから漏れ出た有害物質は、時間の経過とともに生態系の破壊や健康被害といった重大な問題を生むかもしれません。そのため、ごく微量なレベルで環境汚染物質を早期に発見し、対策を講じることが重要です。

そこで環境汚染物質を痕跡量レベルで測定できる、レーザーイオン化飛行時間型質量分析法を開発しています。

この方法では、汚染物質を真空装置に導入し、レーザー光を照射して測りたいものだけをイオン(主に陽イオン)にすることができます。装置内の電極にはマイナスの電圧がかかっているので、陽イオンは一定方向に引き寄せられ、最終的には真空管出口の検出器に到達します。この検出器に到達する時間(=飛行時間)が質量数で異なるた め、分析対象物質の違いを判別することができます。

現在、真空装置に汚染物質などの試料を入れる方法は2つあります。①ガラス製の毛細管から少しずつ連続的に試料を入れ、レーザー光をあてる方法、②ON/OFFで試料の導入を制御し、それに連動してレーザー光もON/OFFであてる方法です。この方法にはそれぞれ長所・短所があります。①は毛細管を高温にできるため、試料を気体の状態に保つことができるが、試料に無駄が出る。②は温度の制限があるが、試料に無駄が出ない。これまでは試料の特徴に合わせてどちらかの方法を選択していましたが、わずかな汚染物質をより効果的に分析するためには、その検出効率を最大限に高める必要がありました。

学生の研究結果から

オンライン濃縮レーザー脱離試料導入法(Online COLD法)

オンライン濃縮レーザー脱離試料導入法(Online COLD法)

ある時、研究室の学生から①の方法でダイオキシンの分析結果が思うように出なかったとの報告を受けました。いつも確実に出るはずのデータが得ら れず、実験方法に問題があったのではないかと考えました。しかし、話を聞くと、先端が窄まった毛細管を使ったため、先端で気体の体積が圧縮され、その後膨張することにより温度が低下し、結果的に先端に試料が溜まって検出されなかったことがわかりました。

この現象を利用し、毛細管の先端にレーザーをあててみたところ、毛細管で濃縮された試料を高効率に噴出させることに成功し、従来の300倍もの感度向上が確認され、世界でもトップレベルの検出となりました。また、ON/OFFの制御は通常1秒間に750回可能なことに対し、この方法では1秒間に1000回繰り返すことができます。この独自に開発したオンラインコールド法をさらに発展させて、土壌や河川水の中に潜む有害物質を分析し、環境浄化に役立てたいです。

今ハマっていること★

teach_uchi04趣味は音楽鑑賞。今一番ハマっているアーティストはRADWIMPS。愛用のウォークマンを常に傍らに置いて大好きな曲でリラックス。デスクワークの効率もアップします。