教育地域科学部地域政策講座/岡﨑英一先生
教育地域科学部地域科学課程公共政策系4年/山岡真司さん(一般企業内定)
教育地域科学部地域科学課程公共政策系3年/岩出 彩さん
岡﨑 そろそろ就職活動が始まる時期ですね。私が就職活動をしていた約30年前からみると、開始時期がずいぶん早くっなたように感じます。3年生の岩出さんは、わからないことや不安に思っていることはありますか?
岩出 自分が何をしたいのか、どんな方向に進みたいのかが定まっていないので不安に思っています。今は、まず就職ガイダンスに参加している状況です。
岡﨑 では、一般企業から内定をもらっている山岡さんは、昨年のこの時期はどのような活動をしていましたか?
山岡 夏休みの終わり頃から、学内の就職ガイダンスに参加していました。僕もその頃は、希望業種は定まっていませんでしたが、ガイダンスなどへの参加でモチベーションが上がり、自主性も出てきました。自己分析をとおして、自分にはどの業界が向いているのかを考えるようになりました。
岡﨑 二人のように、就職活動開始当初は希望業種が決まっていない学生が多いようですね。今年度前期には、企業のトップの方を講師に招き、講義を行いました。企業トップの話を聞くことで、自分に合った業界を探すきっかけにしてほしいという思いがあります。最近では、企業が即戦力や企業が打ち出す人物像にぴったり当てはまった学生だけを採用する傾向にあるようにも感じます。おおらかな採用風潮のあった私の学生時代と違い、今の学生は大変だなと感じています。
山岡 就職活動をしていて、自分のやりたいことや適性と企業の求める人物像とにギャップを感じ、悩むこともありました。
岡﨑 福井大学の就職支援室では、学生一人一人に合ったきめ細やかな支援を行っていますが、就職支援室を利用していましたか?
山岡 よく履歴書やエントリーシートを添削していただいていました。そこで相談しながら再発見したことも多くありました。内定先企業については当初、まったく考えていなかった業種でしたが、就職活動が進み、自分の大学生活を振り返ったり、適正を考えたりしていく中で新たに見えた道でした。
岡﨑 自分が思っていたところとは別のところに適正があると気がつくことは素晴らしいことです。自己分析や対策の中でしっかりと自分を見つめなおしたのですね。そのような選択や決断をするためには、それだけの情報を持っていなければなりません。様々な企業をまず自分の目で見て、自分の中に落とし込み、多角的に検討してほしいと思います。
岩出 就職活動中に新しい考えが生まれたというのは意外でした。しかし、できれば12年生のうちから将来について漠然とでも考えておくことで、学生時代をもっと充実させることができる気がします。
岡﨑 学業を頑張って欲しいのはもちろんですが、大学は様々な経験ができる場でもあります。アルバイトやサークル活動、ボランティアなどを通じた社会との関わりを大切にしてほしいですね。そんな社会との繋がりから得られた情報で選択肢の幅も広がり、スムーズな就職活動につなげていけると思います。
山岡 僕も学業以外の経験も大事だと思います。アルバイトやサークルなどで頑張ってきたことは、就職活動に活きてくるのではないかと思います。可能性を狭めることなくいろいろな経験をし、広い視野を持って就職活動に臨んでほしいと思います。
岡﨑 就職活動の時期が来るまでは、就職に対するイメージはわきにくいものです。ですから、学業に専念しながらも「社会人でもある大学生として、社会とどう関わっていくのか」と、いうことを考えていてほしいですね。
岩出 社会との繋がりから得られる経験を通して、自分の可能性や選択肢を増やしていくことが大切なんですね。
岡﨑 幅広い経験を積むことは「就業力」となり、企業にとって役立つ人材となることにも繋がってくると思います。就職活動を始めると、忙しさと同時に、うまくいかないことから精神的なプレッシャーも出てくるなど、様々な面での大変さがあります。これから就職活動を始めるみなさんには、様々な経験を通して自分の考えや価値観を形成し、進路を決めていってほしいと思います。
岩出 先輩方から「就職活動は忙しい」とは聞いていましたが、精神的な強さも養っていかなければいけないんですね。学業との両立で心配な部分もあるので、バランスを大切にしていきたいです。
岡﨑 就活生にも内定者にも共通して必要なのは、大学でどんな経験をするかだと思います。内定をもらい、卒業を控えるみなさんに伝えたいことは、こ れから卒業までの残りの数ヶ月は、とても貴重な時間だということです。社会に出ると責任が生じ、いろいろな自由が無くなっていきます。二度と戻ってこ ない学生時代を有意義に過ごし、立派な社会人になってほしいと思います。