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簡易分光器の開発・販売と優秀ポスター発表者賞

工学研究科 建築建設工学専攻2年

中川慶子

私の所属している研究室では、光環境について研究しており、光源の分光特性を理解することはとても重要です。また、指導教員の明石先生が担当している環境工学の授業においても、学生たちに分光特性を理解させる必要があります。その理解を助けるために「分光器」が使用されます。分光器とは、光の回折と干渉の原理を用い、光を波長ごとに分ける道具です。市販されているものもありますが、安価なものでも一万円程度するため、授業において全員が同時に使用することは不可能でした。しかし、分光器の仕組み自体は単純なものなので、CDや回折格子などの細かなスリットを用いれば、手作りすることができます。そこで、授業や講演会などで簡単につくることができる「簡易分光器」のキットを開発することになりました。これが、研究室に配属になり、最初に先生から任された仕事でした。

物理に関する知識がすっかり抜けていたので、高校の教科書を引っ張り出して、光の回折や干渉について思い出すところから始まりました。①簡単に作れる、②きれいにスペクトルを見ることができる、③デザイン性にも優れている、という先生からの要望に応えるべく、何度も試作を重ねました。

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5月に製作を始め、完成したのは8月末でした。完成した簡易分光器は、授業やゼミだけでなく、様々の展示会・講演会・セミナーでも使っています。特に、昨年開催されたサイエンスフェスタに出展した時に、その参加者から、譲ってほしいという要請があり、今年の7月から大学生協で販売していただけることになりました。自分が製作に携わったものが販売され、人々に使ってもらえる機会が増え、ものづくりの喜びを感じることができました。

研究の方では、平成22年度(第43回)照明学会全国大会において、「薄明視レベルにおける白色光源の有効性」というタイトルで発表しました。ショートプレゼンテーションとポスター発表を行った結果、25歳以下の発表者に与えられる、優秀ポスター発表者賞を受賞することができました。 夜間、車を運転する場合、照明に青色の成分が強いと、特に周辺視野において、タイヤの破片などの障害物の検出速度が向上します。このことを視野内の種々異なる位置に提示した視票に対する反応時間を調べる実験により実証しました。この研究成果は、道路の照明設計や車のヘッドライトの開発に応用が期待されます。例えば、道路照明を計画する場合、セラミックメタルハライドランプのように青色成分が多い白色光源を用いた方が、高圧ナトリウムランプのような黄色い光源より、効率が良くなります。また、この研究成果は、視野内の位置による視作業性の違いを明確にしたことで、国際標準となる測光技術の改良につながる可能性があります。 昨年もチャレンジしたのですが、受賞できずに悔しい思いをしたので、一生懸命に練習しました。そのため、今回の受賞は大変嬉しく、自信にもつながりました。

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