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第14回キラリティーへの化学的アプローチに関する国際シンポジウム優秀ポスター賞受賞

大学院工学研究科 博士前期課程 材料開発工学専攻 1年

會場 翔平 さん

<共同受賞>
大学院工学研究科 博士後期課程 総合創成工学専攻1年
高松 直矢さん、
工学部 材料開発工学科4年
笹井 太一朗さん

東京理科大学総合研究機構キラリティー研究センターが主催する「第14回キラリティーへの化学的アプローチに関する国際シンポジウム」において優秀ポスター賞(Best Poster Award)を受賞

URL: http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/chiral/14thSympo.html

発表タイトル:
Formation of enantioenriched α-(p-tolyl)amino nitrile induced by α-(p-tolyl)glycine: Replication of α-amino acid in a process including Strecker reaction

材料開発工学専攻 有機化学研究室の川﨑グループ(川﨑常臣准教授)では、有機合成を基盤とした「キラル(不斉)化学」の研究を進め、分子不斉の新現象の発見に取り組んでいます。
キラル化学とは、左手と右手のような実像と鏡像の関係にある化合物、すなわち「キラル分子」を扱う研究分野です。例えば、多くの医薬品や農薬は、キラル化合物であり、左右一方の分子だけを効率の良く合成する方法を開発することで、省エネ・コストダウンが見込めます。

アミノ酸を含む多くの有機化合物には鏡像異性体と呼ばれるL型とD型の化合物が存在します。これらは、互いに鏡に写した実像と鏡像の関係にある分子です。興味深いことに、あらゆる地球上の生物は、ほぼ(D型ではなく)L型のアミノ酸のみを利用しています。L型アミノ酸のみが利用されるようになったきっかけや過程に関して、これまでに数多くの研究が行われてきましたが、結論は得られていません。生命の起源とも関連するとても大きな未解決の謎の一つです。私たちは、アミノ酸の起源を検証する研究を行っています。キラル物質を添加することなく、L型もしくはD型アミノ酸のどちらかが自発的に得られる反応を結晶化と組み合わせることにより世界で初めて発見しました(通常の合成反応ではL型とD型の等量混合物が得られる)。今回の研究は、アミノ酸の「不斉自己増殖」に関するもので、アミノ酸自身が自己複製する化学反応の存在を初めて明らかにしました。L型アミノ酸の起源・増殖過程を検証する上で大変興味深い成果です。

研究中には何度も失敗や困難に直面しましたが、その度に適切な助言を与えてくださった川﨑准教授や徳永教授、相談に乗ってくれた研究室のメンバーのおかげでこの結果を達成できたと感じています。受賞という形で研究成果が評価されて大変嬉しく思います。今後はこの受賞を糧にこの結果に満足することなく、さらに意義のある研究成果が得られるよう実験と勉強に励みたいです。