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日本設備管理学会北信越支部で行われた一般セッションにおいて優秀論文発表賞を受賞

工学部 知能システム工学科 4年

後藤 尚志さん

知能システム工学専攻・ヒューマンインタフェース研究室(小越康宏准教授)では、ヒトの活動や表情などの様々な特徴を捉え、機械に反映させるプログラミングを構築しています。特に、障害者や高齢者が自立した社会生活を送る上で、不便さを補うシステムづくりに焦点をあて、医療機関や教育機関と連携した研究を進めています。

私は人の学習に関する研究を行っています。人が効率よく学習するためには集中することや興味を持つことが重要と考えられています。そのため教育現場では学習者が集中し興味を惹くような様々な教材が導入されています。

今回、化学の教材として開発された分子模型の効果を確認するために、教材利用時の集中度に関する様々な生理データを計測しました。集中の状態を客観的に判断する指標を用い、どのような条件のときに学習者はより集中して学べるのかといったテーマに取り組みました。

先行研究によると、人が集中して作業をおこなっているとき、脳の前頭正中部という部位にθ(シータ)リズム(frontal midline theta rhythm:Fmθ)といった特定の脳波が発現することや、まばたきの回数が減少することが確認されています。本研究はこの二つの点に着目し、分子模型作成中の被験者の脳波、まばたきの回数を計測しました。

被験者の頭頂部と前頭部の中間点(前頭正中線部:mF)に電極を貼り、脳のリラックス状態を示すθ波が発現するときの時間変化と、まばたきに使われる眼輪筋の変化を記録しました。実験では安静課題、分子模型作成課題の二種類を被験者に与え、交互に行ってもらいました。分子模型作成の課題は次の3種類を与えました。①分子模型の使用方法を説明せずに自由に模型を組み立てる課題、②テキストの組み立て例に従い分子模型を組み立てる課題、③自由に模型を組み立て課題(テキストを参考に分子模型を組み立てたり、星座などや動物などをイメージして組み立てたりしてもよい)。

それぞれの課題を実行している脳波の変化とまばたき回数を比較すると、安静状態時と比べ、いずれの課題に取り組んでいる場合も、θ波の発現やまばたきの回数が減少するという結果が得られました。特に、①、③、②の順に集中度が高いという傾向が見られ、より自由度の高い課題のほうが集中しているのではないかと考えられます。

以上の結果は集中状態を判定するプロトタイプのようなものでありますが、計測結果から集中には興味、関心の関わりも見受けられたので、今後はもっと詳細にし、実験データを取り、集中して学ぶためのサポートシステムを開発したいと考えております。