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大学院でのトライ&エラーが 研究者としての土台に

ジャパンポリマーク株式会社 技術開発部係長/2004年 大学院工学研究科 ファイバー・アメニティ工学専攻修士課程修了 (現:繊維先端工学専攻 博士前期課程)

山口 裕也さん

熱転写技術の奥深さにやりがいを感じる

 大学院を修了後、金属加工の会社に3年間勤め、その後、ジャパンポリマークに転職し、9年目を迎えました。「熱転写」という技術を使って、ユニフォームや衣服に背番号やロゴを接着する会社です。熱転写とは、通常のプリント技術と違い、フィルムに印刷された絵柄に特殊な接着剤を載せ、熱と圧力で衣服に接着させる技術です。
 ラベルの接着性、堅牢度、コストパフォーマンスを追求する技術開発は奥が深く、やりがいを感じています。サッカーの日本代表やなでしこジャパンの背番号は当社の技術によるもので、リオ五輪の日本選手団が着ていたユニフォームのロゴも当社で接着したものです。世界の大舞台で自分たちが手掛けたものをみると、とても誇らしいですね。

果てしなく広がる技術開発のフィールド

 もともと数学と理科が好きでしたが、大学院で化学の面白さに目覚め、研究者、技術者として生きることを決めました。
 前職の務め先は金属を熱加工する企業でしたので、当社との出会いはこれまでの経験も生きるのではないかと運命を感じました。当時はあまり知られていない技術でしたが、ラベルを永久接着できる技術は凄いものだと感じ、研究を深めていけばイノベーターになれると思いました。
 学生の頃、「繊維の時代は終わった」というイメージを持っていましたが、今も撥水性や伸縮性など生地の素材は日々進化しています。ラベルの熱転写技術もその進化に追走していかなければならないので、研究、技術開発は新たな挑戦の連続です。最近では、ウィンドブレーカーが雨で濡れた際に雨水が手に沿って流れないように熱転写ラベルに溝を設計するなど、応用技術も手掛け、研究テーマは尽きることがありません。
 繊維、アパレル、自動車などの会社とコラボレーションして研究を進め、海外市場への進出も多くなっており、技術開発のフィールドは果てしなく広がっています。

いろいろなことに興味を持ちチャレンジしてほしい

繊維への接着具合を確認

 新たな問題や課題について、福井大学の恩師に相談できるのはとてもありがたいですね。参考になる論文を教えていただき、助けられたことが何度もあります。大学の試験機器を使わせていただき、「こんな分析をしたらいいのではないか」とアドバイスをもらったこともあります。
 社会人はまず結果を求められますが、大学院時代は失敗を気にせず実験に取り組むことができました。失敗から得るものも多く、トライ&エラーを繰り返した母校での経験が研究者としての土台になっています。
 福大生のみなさんにも、いろいろなことに興味を持ってチャレンジしてほしいですね。すぐに成果は出なくても、今やっていることは決して無駄にはなりません。将来、どこかできっと役に立ちます。