学び続けよう――
社会を見つめ直すために
- 羽田野 慶子
- HATANO Keiko
- 国際地域学部 教授(教育社会学・生涯学習論)
Profile
宮崎県出身。1995年、東京大学教育学部卒業。2002年、同大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学。2005年、国立女性教育会館研究員。2008年、福井大学教育地域科学部准教授。2016年、同大国際地域学部准教授を経て2025年より現職。
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「なぜ女子だけなのか」高校時代の疑問
高校生の頃、女子だけが家庭科を学び、男子はサッカーをしている光景に違和感を抱いていました。保健体育では、妊娠の注意を受けるのは女子だけ。「なぜ?」と、友人たちと首をかしげたものです。
大学で出会った「教育社会学」に、その疑問を紐解くカギがあると思いました。男女平等という理想を語るには、まず「今どうなっているのか」を客観的に究明することが必要です。私たちが抱いた違和感、無意識のジェンダー意識は今の学校現場にも潜んでいます。例えば、「理数系は男子向き」という根強い神話。私たちは、学校生活に巣くう無意識の価値観、「隠れたカリキュラム」と呼んでいます。一方で、昔に比べると大きな変化もあります。スラックスを選べるジェンダーレス制服の導入や、性別に違和感を持つ児童への配慮は格段に深まりました。今の学生が自然に多様性を受け入れている姿を見ると、社会は確かに前に進んでいるのだと実感します。
心地よく生きられる社会へ
女性たちの学びをめぐる問題は、学校教育だけでは捉えきれません。歴史的には、戦前、大学へ進学できなかった女性たちなどが、地域で学びを紡いだ「社会教育」があり、現在研究している戦後の「婦人学級」もその一つです。公民館などに集まった女性たちは、家事や育児、嫁としての苦しさを語り合い、学び合っていました。しかしそこは、彼女たちを支える場でありながら、同時に「女性はこうあるべき」という、男性中心の古い価値観と共存している環境でもありました。その複雑さに、関心を持っています。
こうした問題は、現代につながっています。本学の卒業生調査で県内出身女性は、昇進意欲が低いというデータが出ました。ただし、職場でリーダーシップを経験した場合、管理職への意識が高まることも分かりました。この結果を大学教育の中で、学生が一歩を踏み出す力を育む工夫に生かせないか考えています。
社会の中で生涯にわたり学ぶことを後押ししたい。生涯学習は年齢や立場に関係なく「いつでも始められる」という魅力を持ち、学びが視野を広げ、人生を彩ります。性別に関わらず、より心地よく生きられる社会につながる学びに、貢献していきたいと考えています。

収集した婦人学級についての資料
天然ハーブ系の香りのルームスプレーやハンドクリームにハマっています。実際に香りを試しながら、自分にとって心地よく、リフレッシュできるものを選ぶ時間が楽しみです。


