広報活動や留学を経験し
人との出会いが
自分を成長させてくれた
- 前田工繊株式会社
品質保証部 - 西山 恵実さん
- NISHIYAMA Megumi
- 2017年度 大学院工学研究科博士前期課程
繊維先端工学専攻(現・産業創成工学専攻)修了
フィールドはひとつじゃない チャレンジすることが楽しかった
とにかく、いろいろなことに挑戦しよう。大学へ入学したばかりの頃、そんな思いを持っていました。当初、私は教員志望でしたが、教育学部ではなく工学部へ進みました。教育学を専門的に学ぶより、工学部で将来の可能性を広げる知識を身に付け、合わせて教員の免許も取るという道が自分に合っていると思ったからです。さらに、教員に必要な人間性や社会性を独自に磨いておこうと考え、学問以外のことにもチャレンジしていました。思い出深いのは、4年間続けた学生広報スタッフとしての活動です。広報誌「ふくだいプレス」制作のために地元のお店を取材して記事にまとめたり、写真も自分で撮影したり。締め切りに追われた経験も今となっては貴重です。ゼロから考え企画した案が誌面に掲載されたときの達成感は格別でした。サークルではバドミントンを真剣に取り組んでいました。やることがたくさんありましたが、どれも楽しくて大変さはあまり感じませんでしたね。
大学で磨いた研究マインドが 今の仕事につながっている
大学では樹脂の物性について研究していました。溶解状態の樹脂にさまざまな物質を混ぜて、構造体や強度を調べるといった、今の仕事にも通じる研究です。研究の楽しさから、大学院工学研究科に進みました。繊維を研究する他大学の研究室と交流し、1カ月間タイのラジャマンガラ工科大学へ留学もしました。現地の研究室は固形の樹脂について研究していて、研究方法や考え方の違いに刺激を受けました。大学は自主性が問われる場です。積極的に学ぶ姿勢があれば成長できるし、逆に言えばそれがないとプラスアルファの学びは身に付かない。社会人になった今、大学での経験に無駄なことひとつなかったと感じています。
現在、資材メーカーに転職して1年目。弊社の製品は土木・建築を中心に産業や医療現場などさまざまなシーンで使われ、材質も形状も多種多様です。私は主に出荷前の製品の強度検査を担当しています。品質検査員としてはまだ新人ですが、大学で培った研究マインドが役立っています。小さな変化を見逃さずに検証を重ねる、そういった姿勢は大学院での研究経験があってこそ身に付くと思いますから。また、大学時代に多くの学部外の人と関わった経験も、他部門の人とのコミュニケーションに生かされています。今後は、自社製品の材質や用途などの知識をもっと深め、それぞれの特長を理解したうえで検査技術を磨きたいですね。仕事がさらに面白くなると思っています。将来的には研究開発部門も視野に入れ、今は自分に足りないところに真摯に向き合い仕事に取り組むことで成長していきたいと思います。
- 学生広報スタッフの集合写真。1年次から活動しました。クリエイティブでエネルギッシュな先輩たちに出会えました。
- 短期留学先の研究室の仲間と。