守田 弘道

「環境」を見つめる
技術教育

  • 守田 弘道
  • MAMORITA Hiromichi
  • 教育学部 准教授(教科教育学)

Profile

1972年、石川県生まれ。1995年、金沢大学教育学部中学校教員養成課程技術専攻卒業。1997年、金沢大学大学院教育学研究科修士課程修了。同年、石川県で中学校の技術・家庭科技術分野教員として勤務。2020年より現職。
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現場から研究の場へ

 私の専門としている「技術・家庭科(技術分野)」は中学校にしかなく、材料の加工やエネルギー変換などによるものづくりを通して生活や社会と向き合う教科です。現職のとき、全国技術・家庭科研究大会で技術教育の先輩研究者と出会い、指導・助言をいただきながら実践研究を行いました。大会終了後も、風雪により倒れた木や間伐材を用いたものづくりによる森林保全活動や生徒のものづくりを通した集中力に関する研究などを進めていくうちに、先輩の背中を追いかけるようになりました。
 私の関心の一つに「福井県で環境教育をさらに推進するにはどのようにすれば良いのか」があります。私たちは生活のために、木材を材料としたものづくりを行い、日頃から山の恩恵を受けています。山は、水などの媒体を通して海と繋がっている。しかし、生徒はものづくりは体験しますが、普段完成されたものに囲まれているため、自然からの恩恵を実感することが少ない状況ではないでしょうか。
 現在、地域の環境調査や森林保全活動などを行い、実践を重ねながら模索しています。生徒自身が山や海などの環境について考え、行動する実践教育を通して、循環型社会の大切さを伝えていきたいです。

 

自然木からスプーンを作っているところ

「ものづくり」を通して「ひとづくり」

 技術教育の面白いところは、「ものづくり」を通して「ひとづくり」ができるところ。生徒が試行錯誤してものづくりをしている姿を見守り、必要に応じて手助けや声かけをすることで、成長に繋げていく。具体的に作るものが目の前にあるからこそ、生徒は試行錯誤し、最適なアプローチを考えやすい。課題について考え、解決していく中で、自分なりに折り合いをつけながら最適解を探していく。それは、日常生活や社会をよりよくすることにも繋がっています。教師には、生徒と共に課題を解決していく姿勢が大切だと考えています。教員を目指す学生も、このように考え、生徒の成長の手助けをしてほしいですね。

It's My Favorite!

日本の渚百選の一つ石川県白山市「小舞子海岸」から見た夕日。なによりも落ち着く場所で、波の音に癒やされています。