2024年12月16日
血液泥棒 私は、血管の細胞が分泌する生理活性物質が、身体のさまざまな組織、器官に影響を及ぼす過程を解明することで、がんなど病気の治療に結びつけられないか、研究しています。 血管は、ふだんけがをしたときや月経の際など以外には、新しく伸びる[...]
2023年12月18日
やっかいな腹膜播種(ふくまくはしゅ) 手術で病巣をすべて取り去れば、がんは完治できるー、そんな思いから外科医になりました。しかし、実際は手術だけでは治せないがんが多いのです。 胃がんが進行して「腹膜播種」という状態になることがあります。[...]
2023年4月4日
蝶がメス化する現象を追う ……このバクテリアに感染したら、女しか生き残れない……。少し怖くなるような話ですが、実際、昆虫などでは「ボルバキア」というバクテリアに感染することでメスしか生まれなくなったり、オスのみが死んでしまったりして、代を[...]
2023年4月4日
教室の苦境 「一度、教室に来てスギ花粉症に苦しむ児童の状況を見てほしい」。ある小学校の先生の訴えで、学校を訪ねたことがあります。大きなゴーグルをかけて机に向かう子、寝不足から登校すらできない児童もいるとのことでした。来院して治療を受けにく[...]
2022年12月13日
血液の病気「MDS」を解析 骨髄異形成症候群「MDS」は、骨髄の中にある造血幹細胞が赤血球や白血球をうまく造れないことから、貧血や感染症などにかかりやすくなる病気。進行すると急性骨髄性白血病(AML)に移行することがあり、根治が期待できる[...]
2022年8月16日
摂食障害と出会い、自閉スペクトラム症(ASD)研究へ 私が東京で看護師をしていた十年ほど前、重度の摂食障害の患者を担当しました。当時十代後半の女性、身長155㎝ほどで体重は20㎏台でした。痩せることに固執して無理なダイエットを続け、食べ[...]
2022年4月4日
最前線の経験を糧に専門家育成 私は昨年3月まで富山大学附属病院の感染症科で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対応の渦中にいました。重症者には人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使って治療に当たり、派遣された他の医療機関や介護施[...]
2022年2月16日
背景 生体のタンパク質の約3割は、コラーゲンでできています。 コラーゲンは細胞、水分をため込む重要な足場。 生体中のコラーゲンと同じ、異方性ハイドロゲルの開発が強く望まれている。 特徴 生体組織に適応した層状のコラーゲンを作成でき[...]
2021年8月24日
不妊メカニズムの解明 当たり前のことに思われがちな妊娠と出産。しかし、日本では約2割のカップルが不妊で悩み、毎年50人近いお母さんが出産で命を落としているのです。 私の専門は不妊症の治療で、卵子を包む卵胞という袋が、卵巣で発育し排卵する[...]
2021年5月15日
整形外科の幅広い役割 がんの治療も 整形外科は、骨折などの外傷、腰痛、関節痛、脊椎・脊髄や神経の障害による症状、スポーツ障害など運動器の症状を治療する診療科です。私が研究しているのは、骨や筋肉・脂肪・神経・血管などに発生する悪性腫瘍、肉腫で[...]
2020年12月1日
成長とともに病態がかわる 私たちの体には、細菌、ウイルスなど体にとって有害なものを異物と認識して攻撃、排除する仕組みがあります。これを「免疫」と呼んでいます。アレルギーは、本来は体に無害なものである食べ物などに対して反応し、自分の体を傷つけ[...]
2019年12月1日
従来、見えなかった病変も診断 高エネルギー医学研究センターは、放射線の平和利用を目的に、画像診断や病気治療の研究に活用する施設です。近年、PET/MRIという画像診断装置を導入し、従来は見えなかった病変やがんの転移も発見できるようになりまし[...]
2019年8月1日
嗅覚から「刷り込み」の仕組みの解明へ カモの雛が孵化して初めて見た動くモノを親であるかの様に生涯後追いする「刷り込み」という現象。私達はマウスの嗅覚系において、生まれて7日目までに嗅いだ匂いは忌避すべきものであっても好ましいとして刷り込まれ[...]
2018年8月1日
患者さんに寄り添うとみえてくるもの 精神科医になって8年目の2005年。薬物療法が効果を示さない統合失調症やうつ病の方々に“なにか違うな”と感じていた頃、大人になって気づかれる「自閉スペクトラム症(ASD)」があることを学会で知りました。A[...]
2018年4月6日
増える認知症 現在、日本の高齢化率は27%にも上り、認知症患者数も増加の一途をたどっています。認知症は大きく分けて、アルツハイマー病・レビー小体型認知症・血管性認知症・前頭側頭葉変性症の4つに分類されます。その中の半分を占めるアルツハイマ[...]
2017年8月17日
「その他大勢」に光を当てる 動物の消化管には、消化吸収という機能と食物を運んでいく機能がありますが、私の研究テーマは、消化管が筋肉を収縮させて内容物を輸送していく「蠕動(ぜんどう)運動」のメカニズムを細胞や分子のレベルで解明することです。 [...]
2017年2月14日
病はどこからくるのか 大学入学当時に出合った「病気と正常は表裏一体※」という言葉に感銘を受けました。体内では、多くの組織で細胞がたえず新しく生産されて恒常性を維持していますが、その正常な仕組みが働かないと、がんのような深刻な病を引き起こしま[...]
2017年2月13日
難治がんの克服めざして 日本人の2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなる時代です。私が平成3年に研究を始めた当時、DNAやRNAという遺伝子レベルの研究は困難でしたが、近未来には治療において重要な鍵を握る時代が必ず来ると信[...]
2017年2月13日
実験結果を数理モデルと統合する統合生理学 生体は、様々な分子、細胞、臓器の集合体です。それらが機能的に連関し、システムを形成することで生体は初めて上手く機能します。生体がどのように機能を統合し、生体の恒常性を維持しているのか、そのメカニズム[...]
2016年3月15日
死に至ることも多い血液のがん「白血病」 白血病は、テレビドラマなどで取り上げられたり、芸能人の方が骨髄移植を受けるなど、話題になったこともあり、聞いたことがある人は多いと思います。白血病は血液のがんで、何かのきっかけで遺伝子が異常を起こし、[...]