2025年4月9日
過去の失敗、大切な教訓 保健師(2001年以前は保健婦/士)は、看護師課程に加えて公衆衛生看護学や疫学・統計などの学びを深めた公衆衛生のスペシャリストです。公衆衛生の目的は、人々を不健康から衛ること。保健師は昭和初期に資格化されました。 [...]
2024年12月16日
血液泥棒 私は、血管の細胞が分泌する生理活性物質が、身体のさまざまな組織、器官に影響を及ぼす過程を解明することで、がんなど病気の治療に結びつけられないか、研究しています。 血管は、ふだんけがをしたときや月経の際など以外には、新しく伸びる[...]
2024年8月5日
新生児拡大マススクリーニング 元気に生まれた赤ちゃんでも潜在的に病気を抱えていることがあります。早期発見し、治療につなげることが可能な「新生児マススクリーニング」という検査法があります。発病する前にほんの数滴の血液を採取するだけで分析でき[...]
2024年4月17日
情報通信を活用、病状を共有 がんの化学療法では、患者さんが自宅で日常生活を送ることがあります。病状チェックや心身ケアが必要なのですが、入院中と違い十分な対応ができないおそれがあります。私はそこをカバーしようと、情報通信技術(ICT)さらに[...]
2023年12月18日
やっかいな腹膜播種(ふくまくはしゅ) 手術で病巣をすべて取り去れば、がんは完治できるー、そんな思いから外科医になりました。しかし、実際は手術だけでは治せないがんが多いのです。 胃がんが進行して「腹膜播種」という状態になることがあります。[...]
2023年8月5日
サルコペニア予防を突破口に 私は高齢化が進む福井県嶺南地域の若狭町で、高齢者のサルコペニア検診を推進しています。「サルコペニア」は年を取るとともに筋肉量が減少し筋力の低下も重なり、活動能力が衰える現象。要介護のリスクにとどまらず、癌、脳卒[...]
2023年4月4日
教室の苦境 「一度、教室に来てスギ花粉症に苦しむ児童の状況を見てほしい」。ある小学校の先生の訴えで、学校を訪ねたことがあります。大きなゴーグルをかけて机に向かう子、寝不足から登校すらできない児童もいるとのことでした。来院して治療を受けにく[...]
2022年12月13日
血液の病気「MDS」を解析 骨髄異形成症候群「MDS」は、骨髄の中にある造血幹細胞が赤血球や白血球をうまく造れないことから、貧血や感染症などにかかりやすくなる病気。進行すると急性骨髄性白血病(AML)に移行することがあり、根治が期待できる[...]
2022年8月16日
摂食障害と出会い、自閉スペクトラム症(ASD)研究へ 私が東京で看護師をしていた十年ほど前、重度の摂食障害の患者を担当しました。当時十代後半の女性、身長155㎝ほどで体重は20㎏台でした。痩せることに固執して無理なダイエットを続け、食べ[...]
2022年4月4日
最前線の経験を糧に専門家育成 私は昨年3月まで富山大学附属病院の感染症科で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対応の渦中にいました。重症者には人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使って治療に当たり、派遣された他の医療機関や介護施[...]
2022年2月16日
背景 生体のタンパク質の約3割は、コラーゲンでできています。 コラーゲンは細胞、水分をため込む重要な足場。 生体中のコラーゲンと同じ、異方性ハイドロゲルの開発が強く望まれている。 特徴 生体組織に適応した層状のコラーゲンを作成でき[...]
2021年12月10日
手で触れる意味 子どもの頃お腹が痛くなった時、お母さんがなでてくれると痛みが和らいだ経験はありませんか。それはきっと、気のせいではありません。科学的に痛みの神経伝達や不安などが緩和されることが実証されつつあり、国内でも認知症など様々な療養[...]
2021年8月24日
不妊メカニズムの解明 当たり前のことに思われがちな妊娠と出産。しかし、日本では約2割のカップルが不妊で悩み、毎年50人近いお母さんが出産で命を落としているのです。 私の専門は不妊症の治療で、卵子を包む卵胞という袋が、卵巣で発育し排卵する[...]
2021年5月15日
整形外科の幅広い役割 がんの治療も 整形外科は、骨折などの外傷、腰痛、関節痛、脊椎・脊髄や神経の障害による症状、スポーツ障害など運動器の症状を治療する診療科です。私が研究しているのは、骨や筋肉・脂肪・神経・血管などに発生する悪性腫瘍、肉腫で[...]
2020年12月1日
成長とともに病態がかわる 私たちの体には、細菌、ウイルスなど体にとって有害なものを異物と認識して攻撃、排除する仕組みがあります。これを「免疫」と呼んでいます。アレルギーは、本来は体に無害なものである食べ物などに対して反応し、自分の体を傷つけ[...]
2020年4月1日
治療後にも続く人生とは AYA世代って聞いたことありますか?英語の「Adolescent and Young Adult(思春期から若年成人)」の頭文字が語源の年齢層。15〜39歳という定義もあります。進学や就職、恋愛などに悩み、親元を離れ[...]
2019年12月1日
従来、見えなかった病変も診断 高エネルギー医学研究センターは、放射線の平和利用を目的に、画像診断や病気治療の研究に活用する施設です。近年、PET/MRIという画像診断装置を導入し、従来は見えなかった病変やがんの転移も発見できるようになりまし[...]
2019年8月1日
嗅覚から「刷り込み」の仕組みの解明へ カモの雛が孵化して初めて見た動くモノを親であるかの様に生涯後追いする「刷り込み」という現象。私達はマウスの嗅覚系において、生まれて7日目までに嗅いだ匂いは忌避すべきものであっても好ましいとして刷り込まれ[...]
2018年12月1日
看護の持つ力 私が看護師として勤務していた頃、“床ずれは看護の恥” と言われていました。床ずれは、寝返りの困難な患者さんらに多く見られる皮膚損傷です。医学用語では「褥瘡(じょくそう)」と言います。患者さんの体位によって負担がかかるところの皮[...]
2018年8月1日
患者さんに寄り添うとみえてくるもの 精神科医になって8年目の2005年。薬物療法が効果を示さない統合失調症やうつ病の方々に“なにか違うな”と感じていた頃、大人になって気づかれる「自閉スペクトラム症(ASD)」があることを学会で知りました。A[...]