超小型衛星「FUSION-1」ハイパースペクトルを含む地球観測に成功

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本研究成果のポイント

◆ 福井大学、セーレン、福井テレビ、福井工業大学が共同開発した超小型衛星「FUSION-1」が地球観測に成功
◆ キューブサットによる地上分解能20m/pixel級の可視近赤外ハイパースペクトル観測に成功
◆ 産業用カメラ・レンズおよび画像圧縮技術を活用し、小型で高解像度な観測と効率的なデータ伝送を実現

概要

 国立大学法人福井大学 産学官連携本部(以下「福井大学」)の青柳賢英准教授は、セーレン株式会社(以下「セーレン」)、福井テレビジョン放送株式会社(以下「福井テレビ」)、福井工業大学と共同で開発し、2025年1月15日に打ち上げた、約10cm×10cm×約30cmの超小型衛星(3Uキューブサット)「FUSION-1(フュージョンワン)」に搭載された4台のメインカメラによる地球観測に成功しました。
 FUSION-1には、HD動画撮影が可能なNanCam(動画カメラ)とWanCam(広域動画カメラ)、地上分解能23m/pixel・500万画素のMRCam(中分解能カメラ)、および可視近赤外のハイパースペクトルカメラが搭載されています。これらの観測機器には、地上の民生技術である産業用カメラや画像圧縮技術が活用されており、小型で高解像度な観測と効率的なデータ伝送を実現しました。
 特に、従来のハイパースペクトルカメラは大型で、重量数kgのキューブサットへの搭載は困難でしたが、線形可変フィルタと画像処理技術の活用により小型化と安定・簡便なデータ取得を実現しました。本技術を活用することで、FUSION-1は3Uキューブサットとして、地上分解能23m/pixelの可視近赤外ハイパースペクトル観測に成功しており、国内では極めて先進的な事例の一つといえます。この成果は、キューブサットによる高性能地球観測の可能性を大きく広げ、今後の実用化を促進することが期待されます。
 また、本衛星は、福井県内における衛星開発から運用・利活用までを一体的に進める「FUSIONプロジェクト」の一環として開発されたものであり、今後の衛星運用・データ活用体制の確立に向けた基盤となります。

参考

Yoshihide Aoyanagi, On-orbit demonstration of a Linear variable band-pass filter-based Miniaturized Hyperspectral camera for CubeSats, Journal of Applied Remote Sensing, Vol. 18, Issue 4, O44512
doi.org/10.1117/1.JRS.18.044512

Yoshihide Aoyanagi, Tomofumi Doi, Hajime Arai, Yoshihisa Shimada, Masakazu Yasuda, Takahiro Yamazaki, Hiroshi Sawazaki, On-Orbit Performance and Hyperspectral Data Processing of the TIRSAT CubeSat Mission. Remote Sens. 2025, 17, 1903.
doi.org/10.3390/rs17111903

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│ 2025年6月30日 │
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