11月4日、本学医学部看護学科が国際協力機構(JICA)の委託を受け企画した、タイの省庁職員などが日本の高齢社会を支える制度や福井県における施策について学ぶ研修の成果報告会を開きました。10月21日から2週間にわたって実施された研修の集大成として、研修員は2チームに分かれてアクションプランを発表しました。
「一人暮らしの高齢者への支援」をテーマにしたチームは、タイの現状について「高齢者が人口の20%に上り、そのうち一人暮らしの割合が最も高く、年々増え続けている」と説明しました。さらに、「日本では高齢者を中心とした対策が取られ、それが社会全体の健康や高齢者の生活の質の向上につながっている」と述べ、日本での学びを振り返りました。その上で、自国で取り組むアクションプランとして、「高齢者が社会とつながる機会を増やすためには、省庁や自治体が連携して地域に入り、問題を調査し、それを予防することが重要」とし、研修員を中心としたネットワークづくりや一部地域でのパイロットプロジェクト立ち上げなどの活動計画を示しました。
続く閉講式では、JICA北陸センターの折田朋美所長による主催者挨拶の後、本学の四谷淳子看護学科長が「高齢者が増えるなかで、それを支える介護人材は不足している。テクノロジーをうまく活用しながら地域で支えていくことが、これからますます大切になる。皆さんのアクションプランをタイで実践し、高齢者が元気に、その人らしく生活できるよう支えてもらえたらうれしい」と総括しました。最後に、研修員代表として、社会開発人間安全保障省のスックシリ・スワンタヌー氏が「今回得た知識と経験をタイに持ち帰り、高齢者介護の現場で効率的な活動を進めるための基礎にしたい。タイの高齢者が質の高い生活を送れるよう、少しでも貢献したい」と挨拶し、今後の活動への決意を新たにしました。



