本学教員が平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました

ホーム > ニュース >  本学教員が平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました

本学教員が平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。

【受賞者】 テニュアトラック推進本部〈生命科学若手リーダー特区) 助教 本田信治 

【業績名】 「アカパンカビにおけるDNAメチル化領域制御の研究」

【業績内容】
近年、DNA塩基配列の変化を伴わずに遺伝子の発現状態が変化する制御機構で、細胞の多様性を生み出す仕組みや後天性疾患の要因を解明するヒントになるものとして注目をされている「エピジェネティクス」という領域があります。この領域の重要な制御の仕組みである「DNAメチル化」は、DNAを構成する4つの塩基のうち、シトシンにメチル基が付加する反応です。DNAメチル化は、遺伝子配列を変えずに遺伝子発現を抑制することで、一つの受精卵から皮膚、骨、心臓、脳といった我々を構成する器官の元となるさまざまな細胞の「違い」を正確に作り出すプログラミングに重要な役割を担うと考えられています。一方、これまで多数の報告により、異常なDNAメチル化ががんなどのさまざまな疾患と関与していることがわかってきましたが、このDNAメチル化の基礎的な分子機構はほとんど解明されていないのが現状でした。
本田助教は、ヒトを含めた哺乳類ではDNAメチル化が生命現象で不可欠なために極めて困難な実験を、DNAメチル化を持つ、もっとも単純な生物であるアカパンカビを用いることで克服しました。研究では、DNAメチル化を導く2種類のたんぱく質複合体と、異常なDNAメチル化を防ぐたんぱく質複合体を相次いで同定することに成功し、さらに最近の研究により、がん細胞で起きる大規模なDNAメチル化の分布変化に似た現象が、アカパンカビにおいて、エピジェネティクスのもう一つの重要な反応である「ヒストン脱アセチル化」を担うたんぱく質複合体の欠損により引き起こされることを証明しました。
カビからヒトに共通するDNAメチル化の基盤となる生命現象の解明は、将来、ヒトにおけるDNAメチル化の基礎研究や、異常なDNAメチル化により引き起こるがんなどの様々な疾患に対する治療研究への応用が期待されています。

【科学技術賞の概要】
文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めています。
今回、本学教員が受賞した若手科学者賞は、高度な研究開発能力を有する若手研究者を対象とし、96名の受賞が決定しています。表彰式は、4月15日に行われました。

│ 2014年4月23日 │